我々が「記憶」しているものは、全て「過去」に見たこと、聞いたこと、学んだこと、経験したことです。

つまり、我々の頭の中にある「記憶」は、「過去」からやってきたものだと言えます。

 

一方、「思考」は、記憶している情報を「つなぎ合わせる」という行為をしていくことです。

頭の中の既存の情報と情報をつないでいくことで、新たなものを発見したり、新たなものを作り出したりします。

つまり「思考」というのは、いわば「未来」へと向かっていく行為と言えます。

 

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仮に、「A」「B」「C」という3つの事柄が目の前にあったとします。

これを単純に「記憶」した人がいたとしましょう。

その人は、記憶が続く限りは、この3つの事柄を思い出すことができます。

しかし、「記憶」というものはしばしば簡単に失われます。

特に重要なことでもなく、何度も繰り返し思い出すようなことでもなければ、人は、日常の生活で色々なことを忘れていきます。

3つの「A」「B」「C」を過去のものとして記憶していた人は、そのことを忘れてしまったらもう思い出すことはできません。

「記憶」というものは、一度失われてしまったら、そう簡単には戻って来ないのです。

 

では、「思考」はどうでしょうか?

「A」「B」「C」の3つの事柄が目の前にあった時、「ただ覚えよう」とする人もいれば、「何かしらを考えよう」とする人もいます。

考えようとする人は、「A」「B」「C」の3つだけを見るのではなく、それらの「間」を見ようとします。

「A」と「B」にはどのような関係性があるだろうか?
「B」と「C」にはどのような法則があるだろうか?

目に見える部分だけを観察して覚えるのではなく、「この3つは、一体、どういう関係で並んでいるのだろう?」というように、「目に見えない部分」を探っていくのです。

3つの「間」とも限りません。
「A」「B」「C」のそれぞれの「裏側」を見ようとするかもしれません。

こうした「見えないところを見ようとする」のは、別に超能力でも何でもありません。

人は、「考える力」によって、見えないところを見ることを可能にすることができます。

そして、「A」「B」「C」の3つの間に、あるいはそれぞれの裏側に、何かしらの「法則」や「関係性」を発見することができたとしましょう。

「法則」や「関係性」を発見できた人は、その法則や関係性を使って、「新たなもの」を生み出すことができます。

「A, B, C の3つが並んでいるのだから、じゃあ、D, E, F というものもあり得るのではないか?」という具合です。

「考える」ということを普段からやる人は、目の前にある「問題」を解決する方法を見つけたり、あるいは一見わからないような「原因」を突き止めたりすることができます。

見えているものだけを見て、それを単純に記憶している人にはとうていできないことが、考える人にはできるということです。

 

英語を教える仕事をしていると、時々、生徒の中にこうした「考える力」に優れた人に出会うことがあります。

そういう人は、こちらがいくつかの「事例」を与えた時に、そこから「法則」や「関係性」を見つけるのがとても上手です。

文法、発音、単語のスペルなど、様々な事例を観察しながら、それらの間にあるだろう「法則」や「関係性」を探っていく力。

そういう力がある人は、英語を身につけていくスピードも早いものです。

ところが、「考える」のではなく、「ひたすら覚えよう」とする人もいます。

そういう人は、「法則」や「関係性」を探るのがあまり上手ではないため、英語を長い間勉強していても、身につくのに時間がかかってしまいます。

そういう人が、この日本という国には、意外にたくさんいるように感じられます。

なぜでしょうか?

思うに、その原因の1つに、「学生時代の勉強の在り方」が挙げられます。

 

中学校、高校など、学校の勉強というものは「記憶するもの」として捉えている人がたくさんいます。

教師も親も、「勉強しなさい」という言葉の裏には「覚えなさい」という意味を含んでいるのが普通です。

つまり「答え」を与え、それを覚えさせ、どれだけ覚えているかをテストで確認するわけです。

決して、「答え」を与え、「この答えとなるような問題を作りなさい」といった問題は出題されません。

学校での勉強が「記憶」に偏っているものですから、大人になって英語を学習しようとする時にも「記憶」に偏ってしまうわけです。

ところが、記憶に偏っている人は、やはり学習スピードは遅くなりがちです。

英語を学習していて、身について行くスピードが遅いなと感じる人は、もしかしたら「記憶」に偏りすぎてしまっているのかもしれません。

そういう人は、「考える」ということをしながら、複数の事例の間に存在するであろう「法則」や「関係性」を探る努力をしてみると良いのではないでしょうか。

 


 

本校では、「覚える」ことだけでなく「考える」ということを大切にした授業を行っております。

自分で考えて、自分で法則を見つけた時、人はその法則を自分のものにすることができます。

社会に出てからも求められる「考える力」を養うレッスンはどのようなものか、興味のある方は是非一度、本校の無料説明会に足を運んでみてください。

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