日本語では「カタカナ」で表示されながら、そのままでは「英単語」として認識されない言葉があります。

それをご紹介していくシリーズです。
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108:「パーカー」

 

私(久末)はファッションにはおよそ疎(うと)いのですが、「パーカー」くらいは知っています(笑)

これは、英語の「parka」から来ているようですが、実は、これでは一般には通じません。

 

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英語で「パーカー」と表現したい場合には、「hooded sweatshirt」と言うか、あるいは、これをくだけた表現にした「hoodie」又は「hoody」と言うようにしましょう。

「hood」というのは、パーカーについている「フード」のことです。

もともと「hood」は「ずきん」のことで、童話で有名な「赤ずきん」も、英語では「Little Red Riding Hood」というように「hood」という言葉が使われています。

 

そして、「hood」という言葉は「名詞」ですが、これに「-ed」がつくと、形容詞に変わります。

「名詞」+「-ed」の形で「形容詞」になるものとしては、他に「left-handed(左利きの)」や「blue-eyed(青い眼の)」などがあります。

で、「hooded」は「フードのついた」という意味の形容詞になるのです。

 

つまり、「hooded sweatshirt」は「フードのついたトレーナー」という意味合いになります。

これを縮めた言い方が「hoodie」もしくは「hoody」ということになります。

 

で、実は「hood」という言葉は、「food」という単語と似た発音になっています。

カタカナで書くならば、どちらも「フード」という感じですが、ただし、最後の「ド」は「ドゥ」という音を「無声音(喉を鳴らさないひそひそ声)」で発します。

で、「hood」と「food」の違いは、当然、スペルの通りで「h」と「f」の違いということになります。(実際は「hood」は[húd]、「food」は[fúːd]のように、母音の長さも違うのですが、それはさておき。)

「hu」の発音は、ほとんど「日本語のフ」と同じような感じで発音して構わないのですが、実は、「英語のfの発音ができるようになった人」にとっては「hu」の発音は逆に難しくなってしまうという傾向があります。

 

「f」の発音は、「下唇」と「上の前歯4本(くらい)」を使って発音されます。

「下唇のやや内側」と「上の前歯4本」の間で、「空気がこすり出るような音」を出すのが「f」の音なのです。

英語学習者で、「f」の発音をきちんと練習した人は、「f」は上手になるのですが、実は「hu」の音が苦手になってしまうことがよくあるのです。

日本語で「ハ」とか「ヒ」とか発してみれば分かると思いますが、「h」の音には「下唇」と「上の前歯」でこすれる音が出るわけではありません。

従って、「hu」の音も、空気がこすれ出るような音にしてはいけないのですが、「f」の練習をたくさんやった人は、「hu」と発音する時に、ついつい「空気のこすれる音」を出してしまいます。

「hu」の音は、「舌の上面のやや前方」と「口の中の天井(上あご)」の間に空気を通し、そこで空気の音を発することで発音しなくてはならないのです。

 

とまあ、「パーカー」の話からだいぶ飛躍しましたが、これは英語では「hoodie」か「hoody」と表現されます。

「hoodie」も「hoody」も、どちらも、カタカナで書くなら「フーディ」という感じですが、「フ」のところで空気のこすれる音を出さないように注意しましょう。

 

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さあ、いかがでしたか?
またランダムでお届けしますので、次回をどうぞお楽しみに!

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