(「残念な英語学習法」シリーズ過去記事はこちら

 

前回、「辞書に書かれていることだけを鵜呑みにしてはいけない」ということを書きました。

辞書に書かれている「日本語訳」の言葉だけを拾い、それをそのまま使う、ということでは解決できないことがたくさんあります。

さあ、今日も「残念ではない英語学習法」を模索してみましょう!

 

<アメブロからの続きはここから>

 

ある単語を「英和辞典」で引いてみると、色々な言葉が書かれていることがあります。

例えば、「bear」という言葉。

これは「名詞」ならば「熊(くま)」という意味ですね。

では、「動詞」ではどうでしょう?

動詞の「bear」には色々な意味があります。

今、たまたま私(久末)の手元にあった「ジーニアス英和辞典(第4版・大修館)」で見てみましょう。

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bear【基本義: 携えて運ぶ】

−[他]
1. <人・物が><人・物>を[…へ] 運ぶ、持って行く
2. <物が><重さ>を 支える; <人が><費用・責任など>を 持つ、負担する
3. <人・物・事が><武器・印・跡など>を 身につける、帯びる
4. [しばしばcanと共に: 否定・疑問文で]<人・物・事が><人・物・事>に 耐える
5. [通例否定文で]<物・事が>…に 耐えうる
6. <人が>O1<人>にO2<恨み・愛情など>を いだく
7. <女性が><子>を 産む
8. …を 伝える、広める
9. …を 与える、提示[提供]する
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さて、これだけの「日本語の羅列」をそのまま覚えようとする人がいたとしたら、そんなことはすぐにやめましょう。

やらなくてはならないのは、「辞書に書かれた日本語の羅列をただ覚えようとする」ということではありません。

そうではなく、「日本語の羅列」をザッと眺めながら、「この単語に共通しているイメージはなんだろうか?」と探ることなのです。

ジーニアス4では、「基本義」というものが書かれている単語がありますが、この辞書における基本義は、時にその単語のイメージと合致しないことがあります。

基本義とイメージが合致すれば良いのですが、全ての辞書に基本義が書かれているわけではありませんし、イメージと合致しない基本義となっていることも多々あります。

そこでやるべきは、「書かれた日本語」の意味を見比べながら、それらに共通するイメージを「自分で」探し出すことです。

「共通するイメージ」を抜き出すことに成功すれば、辞書に書かれている日本語の羅列を覚える必要はなくなります。

上記の「bear」の例で言えば、「運ぶ」と「耐える」の2つのキーワードが主流となっているようです。

つまり、「耐えながら運ぶ」というようなイメージで捉えてみると、「bear」という単語のイメージが見えてきます。

実は、「ジーニアス4」の改訂版の「ジーニアス5」では、上記の日本語の並び順に変更がありました。

ジーニアス4では、「運ぶ」が1番目に書かれていましたが、ジーニアス5では「耐える」が1番目に書かれています。

他の辞書を見ても、たいていは「耐える」や「支える」といった言葉が先頭に書かれています。

辞書によって書かれている説明や、日本語訳の順番などが異なりますが、イメージとして「重さに耐えながら運ぶ」というのが「bear」のイメージなのだと想像しながら読んでいけば合点がいきます。

辞書によっては、そもそも基本義のところに「重さに耐えて持ち運ぶ」のような言葉が書かれていることもあります。

しかし、そういう基本義が書かれていなかったとしても、「日本語訳」の並びを見て、そこから「こういうイメージではないか」ということを想像していくと良いでしょう。

そういうイメージがつかめたら、たとえ辞書に書かれていない日本語であったとしても、他の日本語訳に当てても問題ない、というケースがあります。

辞書というものは、そうやって「書かれている情報から、共通のイメージを自分で探す」ようにして使っていくと、さらに有効に使うことができるようになります。

是非、やってみてください!

 

<続く>

 


 

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