<前回の続き>

(「発音美人になりましょう!」の記事一覧はこちら。)

 

前回は、「音程」がうまく取れない場合にどのようなトレーニングをすれば良いかについてご紹介しました。

今回は、英語の発音が上達するために必要なもう1つの要素として、「リズム」について考えてみたいと思います。

 

<アメブロからの続きはここから>

 

英語の音読指導をしていると、時々「アクセントの取り方」がうまくいかない人を見かけます。

「アクセント」というのは、その単語の中で「強く発せられる部分」のことと考えて差し支えありません。

日本語では、音の「高低」によってアクセントが異なります。

例えば「家(いえ)」という言葉を標準語で発音するならば、「い」が低く、「え」が高くなります。

このように、「高い音」と「低い音」を区別することで、アクセントを区別するのが日本語の発音と言えます。

ところが、英語の場合、アクセントは音の高低によっても区別されますが、さらに「音の強弱」によっても区別されます。

 

では、音の強弱とは何でしょうか。

それは、「音を出す勢い」と「音の大きさ」です。

音を出す勢いが強く、音の大きさが大きくなれば、その部分が「強い音」になります。

その逆で、音の勢いが弱く、大きさも小さくなれば、その部分は「弱い音」になります。

そして、「強い音(勢いが強く、音量も大きい音)」の部分が「アクセントが置かれた音」ということになります。

通常、アクセントが置かれた音(強い音)というのは、音の「高低」で言えば「高い音」となります。

一方、アクセントが置かれていない音については、普通は「低い音」となります。

そして、1つの単語の中に「強い部分」と「弱い部分」が混在しているのです。

 

例えば、「famous」という単語がありますが、これを発音記号で書くと[féiməs]となります。

英語をはじめ、多くの言語では、「アクセント」の置かれた部分の発音記号には、「′」のような記号が上に振られます。

従って、[féiməs]という発音の場合は、[é]の部分が強く発音され、それ以外の部分は、この[é]の部分に比べて「弱く」発音されるということになります。

上述したように、アクセントが置かれた部分は「強く」発音され、さらには「高く」発音されるのが普通です。

ということは、アクセント以外の部分は「弱く、低く」発音されるのですから、アクセントの部分との「境界」のところでは大きな「変化」が生まれます。

「famous」の例で言えば、[é]の音の直後の[i]の音は、急激に「降下」することとなり、また音の勢いや音量も弱くなります。

この「落差」といいますか、「変化」といいますか、この差異が大きければ大きいほど、「アクセント」の部分がくっきりと際だって聞こえるようになります。

 

さて、「アクセント」の部分を正しく発音するためには、「強いところは強く、弱いところは弱く」という基本を守って発音すれば良いのですが、ここで問題となるのが「リズム感」というものです。

アクセントは、「1つの単語」の中にも存在しますが、それだけではありません。

「複数の単語」が並んでできた「文」の中にも、アクセントというものは存在するのです。

例えば、以下のような文があったとします。

She became famous.(彼女は有名になった。)

この文を声に出して読むとしたならば、「became」と「famous」を比べた場合、文脈にもよりますが、「became」よりも「famous」の方を強く発音した方が自然と言えます。

また、最初の「She」も強く発音した方が自然でしょう。

どの単語を強く発音すべきか、というのは、文脈上、どのような意味として相手に伝えたいかによって異なります。

ただ、それでも「普通はこうなる」というパターンがあります。

仮に、「She」と「famous」が強く、「became」が弱いのだとしたならば、「became」の部分は、低く、平坦に、まるでお経を読むかのような暗い感じで発音することになります。

「低く、暗く、平坦」という音が途中に挟まっていることによって、その前後の「She」と「famous」が際立つのです。

ということは、アクセントのある部分を発音しようとする「タイミング」を見計らって、自分で「強く、高く発音する」ということをコントロールしなくてはなりません。

ところが、「リズム感」が弱い人の場合は、この「タイミング」がうまくはかれません。

大きくずれるか、あるいは小さくずれるか。

たとえ小さくずれたとしても、全体の音としては、とても奇妙に聞こえてしまうのです。

一方、「リズム感」のある人は、このタイミングをぴったりと合わせることができます。

少しもずれることなく「アクセント」の部分にタイミングを合わせることができるので、聞いている方もリズムに乗って聞くことができます。

 

このように、英文を音読したり、英単語を発音したりする際に、アクセントの位置を正しく捉えるためには「リズム感」が必要になります。

リズム感がない人は、リズム感を鍛えるような練習をすべきです。

次回は、リズム感を鍛える練習方法について考えてみましょう。

 

<続く>

 


 

 

本校では、長年「発音」に関する理論的、かつ実践的な指導を行ってきました。

「音程」と「リズム」が得意ではない方でも、一人一人、個別に親身に指導しています。

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