「身体の忍耐力」ではなく、「頭の忍耐力」というものは、人生、生きていく上で、様々な場面で必要となります。

まず、「考える」ということをやろうとした時に「頭の忍耐力」が必要となります。

「複数の情報を、1つ1つ、辛抱強く、頭の中でつないでいくこと」が「考える」ということですから、「頭の忍耐力」が弱い人は、このことができません。

前々回のブログでも書きましたが、勉強や仕事において「時間の節約」となるなど、「考える」ということにはたくさんの「メリット」があります。

「頭の忍耐力」を鍛えることができれば、それは「考える力」を鍛えることにつながります。

 

さらに、「自分の行動を制御する」という場合にも「頭の忍耐力」が必要です。

人が何かの「行動」をする際、そこには「感情理性のバランス」が関係してきます。

感情」と「理性」は相反するものであり、その両者のバランスによって、「行動するか、行動しないか」が決定されます。

感情」というものは、簡単に言えば「好きか嫌いか」や「心地良いか心地悪いか」といった、「人間ならば誰もが持っている感覚」と言えます。

そして、「感情」によって、「好き」とか「心地良い」と感じたものは「行動」につながりやすくなり、逆に「嫌い」とか「心地悪い」と感じたものは「行動」につながりにくくなります。

こうした感情には、たいてい「理由」はなく、しかも「自分でコントロールする」ということもできません。

「チョコレートが好きだ」と感じた人に、「それを嫌いになりなさい」と言っても、それは「無理」というものです。

同様に「タバコの煙が心地悪い」と感じた人に、「それを心地良く感じなさい」と言っても「無理なものは無理」です。

 

一方、「理性」というものは、何かしらの事柄について、「良いか悪いか」や「正しいか正しくないか」や「大事か大事じゃないか」といったように「頭」の中で考えて判断していく能力のことです。

「頭」で考えて「良いか悪いか」や「正しいか正しくないか」を判断していくのですから、そこには「理由」があります。

「理由」があるだけでなく、色々考えていくことによって、「前は良いと思ったけど、よくよく考えると悪いことだ」のように、「前とは違う答え」にたどり着くこともあります。

 

人の「行動」は、「感情によるプラスとマイナス」および「理性によるプラスとマイナス」によって決まると言っても過言ではありません。

以下の図をご覧ください。

この図は、縦軸に「理性」、横軸に「感情」を置き、それぞれの「プラス」と「マイナス」によって「行動に移すかどうか」が決まる、ということを表しています。

「感情」でいくら「プラス」であったとしても、それ以上に「理性でマイナス」であったならば、「行動に移さない」という結果になることでしょう。

逆に、「感情でマイナス」であったとしても、それを上回って「理性でプラス」だったならば、「行動に移す」という結果になります。

 

私達が毎日の生活の中で「これは実行する、これは実行しない」という決断をする時には、その都度、上記のような「感情と理性」によるプラスマイナスの足し算・引き算をやっているのです。

例えば、「大好きなチョコレートをたくさん食べたい!」というのは、「感情でプラス」と言えますが、「チョコレートを食べ過ぎると身体に良くない」というのは「理性でマイナス」と言えます。

このプラスとマイナスの足し算・引き算によって、「感情でプラス」が勝てば「行動に移す(=食べる)」となり、「理性でマイナス」が勝てば「行動に移さない(=食べない)」となります。

あるいは、「筋トレはきついからイヤだ!」というのは「感情でマイナス」と言えますが、「筋トレをすれば引き締まった身体になるし、健康にも良い!」というのは「理性でプラス」と言えます。

これまた、「感情でマイナス」よりも「理性でプラス」が勝てば「筋トレをする」ということになり、その逆であれば「筋トレをしない」となるわけです。

 

ここで注目すべきは、勉強でも仕事でも、その他のどんなことでも、「理性」が働くことによって、「感情のプラスマイナスを覆(くつがえ)すことが可能だ」ということです。

特に、上図における「赤い線の付近」に関しては、「理性が働くかどうか」によって「行動に移すか移さないか」が大きく変わります。

ちょうど「赤い線の付近」では、「行動に移すかどうか」の微妙なラインにいる、ということになります。

ここで「理性」が働く人であれば、感情を覆し、「良いことだからやる」あるいは「良くないことだからやらない」といった決断をすることができます。

しかし「理性」が働かない人は、感情を覆すことはできず、結果的に「感情のまま」に行動することになってしまいます。

「理性」は、すなわち「頭の忍耐力」です。

頭の忍耐力がある人間は、「感情のままに行動する」のではなく、頭で考えて「良いか悪いか」や「正しいか正しくないか」や「大事か大事じゃないか」といったことを「行動の決定」の材料にすることができるのです。

このことは、人生を生きていく上で非常に重要なことです。

子供や生徒の未来において、「考える」ができるようになり、「理性」が持てるようにするためには、今のうちから「頭の忍耐力」を高めてやる必要があるのです。

では「頭の忍耐力」はどのように育てていけば良いでしょうか?

長くなりましたので、続きはまた次回。
どうぞお楽しみに!

<続く>


 

本校では、「頭の忍耐力」を育てるような指導を行っています。

頭の忍耐力が高まった子供は、「思考力」を発揮し、「理性」によって自分の行動をより適切に制御できるようになります。

「単に英語を教える」のではなく、そうした「頭の訓練」も合わせて行うことで、真に英語ができる人材を育てています。

自分の子供に対して「頭の忍耐力」をうまく育ててあげられていないと感じた人は、是非一度、本校のレッスンをご検討ください。