前回も説明しましたが、「従位節」というのは「名詞節」「形容詞節」「副詞節」という3種類の節を合わせたものです。
たとえるならば、「従位節」が「名字」であり、「名詞節」と「形容詞節」と「副詞節」は、同じ名字を持つ三人兄弟ということです。
従位節ファミリーの長男 = 『名詞節』
従位節ファミリーの次男 = 『形容詞節』
従位節ファミリーの三男 = 『副詞節』
さて、前回は「名詞節」について説明しましたので、今回は「形容詞節」について説明します。
「形容詞節」とは、「形容詞」として働く「節(=主語+述語動詞を含んだかたまり)」のことです。
普通、形容詞という言葉は「名詞を修飾する」という働きをします。
「名詞を修飾する」ということは、「名詞の意味的な範囲を絞り込む」ということです。
まず、「日本語」でこのことを考えてみましょう。
例えば、「私はラーメンを食べた。」という文があったとします。
「ラーメン」は名詞ですね。
この「ラーメン」という名詞の前に、「高い」という言葉をつけたとしましょう。
すると、「私は高いラーメンを食べた。」となります。
「高い」という言葉がついていない場合と比べ、「高い」という言葉がついた場合では、「高くないラーメンは除外される」ということになります。
世の中には実に様々なラーメンがあります。
世の中の全てのラーメンを「高いラーメン」と「高くないラーメン」に分けたとすると、「私は高いラーメンを食べた。」という文では、世の中の全てのラーメンの中から「高いラーメン」だけに範囲が絞り込まれたということになります。
このような場合に、「高い」という言葉は、「ラーメン」という名詞を「修飾している」と言えるのです。
「高いラーメン」の「高い」のように、「名詞を修飾している言葉」は、英語の文法では全て「形容詞」となります。
ここまでを理解したところで、「形容詞節」の話に戻りましょう。
「形容詞節」というのは「節」の1つですから、「主語+述語動詞」を含む形となっています。
「主語+述語動詞」を含む形となっていて、さらに、その部分全体が「形容詞」として機能している場合、その部分全体のことを「形容詞節」と呼ぶのです。
ここで再び、上述の「私はラーメンを食べた。」という文で考えてみます。
この「ラーメン」という言葉の前に、「彼が作った」という表現を入れてみましょう。
すると、「私は彼が作ったラーメンを食べた。」となります。
この場合、「彼が作った」という表現が入ることで、世の中の全てのラーメンの中から、「彼が作ったラーメン」と「彼が作ったのではないラーメン」に分類することができ、そのうちの「彼が作ったラーメンを食べた」ということになります。
つまり、「彼が作った」という部分もまた、上の例の「高い」という言葉と同じように「名詞」を修飾している、ということになるのです。
「彼が作った」という部分は、「主語+述語動詞」という形になっていますので、この部分が名詞を修飾しているということは、この部分全体が「形容詞節」ということになります。
さて、これを英語で表現すると、以下のようになります。
I ate the ramen noodles which he made.
私は彼が作ったラーメンを食べた。
つまり、「which he made」の部分が「彼が作った」という部分に対応しており、この部分が「形容詞節」である、ということになるのです。
さて、この続きはまた今度にします。
次回は「副詞節」について説明しますね。
どうぞお楽しみに!