「貸す」は、英語では「lend」「rent」「lease」「loan」という語で表現されます。
また「借りる」は「borrow」「use」「hire」という語で表現されます。
まずは「貸す」の方から見てみましょう。
「lend」は、日常的に行われる「モノの貸し借り」の際に「貸す」という意味で使われます。この語には原則としては「無料で」という前提があります。
「rent」は、「有料で賃貸しする」あるいは「有料で賃借りする」の意となり、つまり「貸す」と「借りる」の両方の意味で使われます。「rent」の目的語となる語としては、「car(車)」「house(家)」「apartment(アパートの一室)」「bicycle(自転車)」「clothes(服)」などです。「貸す」ならば、「目的語の後ろに「to + 人」が置かれ、「借りる」ならば「from + 人」が置かれるのが一般的です。なお、「rent」は、上述した「lend」(過去形は「lent」)と似た形であり、さらに全く別の意味の語である「rend(引き裂く)の過去形および過去分詞と「同じ形」でもあるので、きちんと区別するように注意しましょう。
「lease」は、 主に「産業機械」や「オフィス用機器」、あるいは「土地」などに対して、書類での契約を伴って「賃貸しする」や「賃借りする」の意となります。「rent」に比べ、「lease」の方が「長期の契約」であることが多いという特徴があります。また、「rent」の場合は貸し借りしているモノ(部屋や車など)のメンテナンスの責任は「貸す側」にありますが、「lease」の場合は貸し借りしているモノのメンテナンスの責任は「借りる側」にある、という一般的な傾向があります。
「loan」は、「金利をつけて金を貸し付ける」という意味で使われますが、それ以外に、「米式」では、ほぼ「lend」と同じように「無料でモノを貸す」という意味で使われることもあります。また「英式」では、「美術館などに貴重な絵画を貸す」などの意味で使われることもあります。
続いて「借りる」について見てみましょう。
「borrow」は、「lend」や「loan」と反対で「借りる」の意を表します。基本的には「無料で借りる」という場合に使われますが、金融機関から「金を借りる」など、「金利がついて金を借りる」という場合にも使われます。
「borrow」は基本的に「借りて、後ほど返すことを前提にして、その場から持ち去る」という意味合いを含みますので、「人の家のトイレを借りる」など、その場から持ち去ることができない場合には「use(使う)」が使われます。
また、上述したように、「家」や「車」を「賃借りする」という意味で「借りる」という場合には「rent」や「lease」が使われます。
「hire」は、「手配した人を一時的に雇う」という意味で使われる言葉です。基本的には「人を雇う」ということになるのですが、「運転手付きで車を手配して借りる」のような場合にも「hire」が使われます。
「雇う」の意味では、「hire」の他に「employ」という言葉もありますが、「employ」は「長期間の契約で人を雇う」という意味で使われるのに対し、「hire」は「一時的」であり、さらに「人を手配する(&その人を雇う)」という意味合いを含みます。