「結婚する」は、英語では「marry」「get married」などのように表現されます。
「marry」には、 「結婚の儀式を行う」や「結婚の法的手続をする(=婚姻届を提出する」といった意味があります。さらに「人を配偶者にする」という意味もあります。
日本語で言う「Aさんと結婚する」のような言い方は、「marry A」のように表現することができます。
例1: I want to marry.「私は結婚することを望んでいる(私は結婚したい)。」
例2: They married at this church.「彼らはこの教会で結婚した。」
例3: She married her brother’s friend.「彼女は彼女のお兄さんの友人を配偶者にした(お兄さんの友人と結婚した)。」
例4: They married each other twice.「彼らは二回、お互いを配偶者にした(彼らは同じ人物と二回結婚した)。」
一方、「get married」という表現もまた「結婚する」という意味で使われます。この意味での「married」は「過去分詞」という形です。
多くの「過去分詞」には「受動」の意味が含まれます。例えば「eat(食べる)」が過去分詞「eaten」となれば「食べられる」という意味になり、「speak(話す)」が過去分詞「spoken」となれば「話される」という意味になる、という具合です。
「marry」の場合、「結婚する」という意味の他に、元々「ある人物が、2人の人間の結婚を認める」という意味もあります。「marry」が過去分詞の「married」になった場合には、後者の意味、つまり「結婚を認める」という意味に受動の意味が含まれ、「結婚を認められている」という意味になるのです。
「結婚を認められている」というのは、つまり、言い換えるならば「結婚している」ということになります。
「married」という過去分詞が「結婚を認められている状態(=結婚している状態)」を表す一方で、「get」という動詞は「〜の状態に変化する」という意味を持ちます。
つまり、「get married」という表現は、「結婚を認められている状態に変化する」という意味になるのです。これがひいては「結婚する」という意味となります。
「marry」と「get married」では、どちらも結局は「結婚する」という意味になるのですが、「get married」は形の上では「受動態」のようなものですから、「誰々と」という表現を添えたい場合には、「get married」の後ろにそのまま「人」を表す目的語をつけることはできません。
「get married」を使って「Aさんと結婚する」と言いたければ、「to」という前置詞を使って「get married to A」のように表現すると良いでしょう。
「marry A」と「get married to A」のような違いはありますが、多くの場合、「marry」と「get married」は言い換え可能です。
例5: I want to get married.「私は結婚することを望んでいる(私は結婚したい)。」
例6: They got married at this church.「彼らはこの教会で結婚した。」
例7: She got married to her brother’s friend.「彼女は彼女のお兄さんの友人を配偶者にした(お兄さんの友人と結婚した)。」
例8: They got married to each other twice.「彼らは二回、お互いを配偶者にした(彼らは同じ人物と二回結婚した)。」
ただし、プロポーズなどで「僕と結婚してくれますか?」と相手の意志を尋ねたい場合には、「受動的な表現」の「get married」ではなく、「能動の意志」を求めるため「Will you marry me?」とするのが自然で、「Will you get married to me?」とは普通は言いません。
さらに、「結婚する」ではなく、「結婚している」という状態を表したい場合には、「be動詞」を使って「be+married」という形にします。
例9: She is married.「彼女は結婚している。」