「帰る」は、英語では「get」「be」「come」「go」などの動詞の後ろに「back」「home」のどちらがついた形、あるいは「return」の1語で表現されます。

 

「get」は、「ある状態への変化」を表したい時に使われる言葉です。また、「back」という言葉は「戻っている」という状態を表す副詞です。このことから、「get back」という2語が並ぶと「戻る」という意味になります。「back」の代わりに「home」を使った場合には、「get」は「到着する」という意味を持ち、「get home」で「家に到着する」という意味になります。「get back」も「get home」も、どちらもたいてい「戻って来た時点(=到着した時点)」のことを指して使われます。

「be」は「ある状態になっている」ということを表す言葉ですので、「be back」という形で「戻っている」という意味になります。「be」は現在形では「am, are, isのどれか」となり、過去形では「was, wereのどちらか」になり、その場合は「戻っている」や「戻っていた」という「状態」を表します。例えば、現在形で「He is back now.」と言えば「彼は今戻ってきている。」という意味になり、過去形で「He was back then.」と言えば「彼はその時戻って来ていた。」という意味になるということです。ところが、「be」が原形となっている場合には少し意味が異なります。「be」が原形で使われる場合というのは、たいてい「助動詞の直後」や「命令文における文頭」や「to不定詞のtoの後ろ」で使われる場合なのですが、これらの意味はたいてい「未来での状態」を表します。このような場合に「be back」が使われると「戻って来ている」という状態というよりは「戻る」という動作を表すことになります。例えば「He will be back soon.」ならば「彼はすぐに戻ります。」という具合です。「back」を「home」に変えても同様で、「He is home now.」ならば「彼は今家にいる。」という意味となり、「He was home then.」ならば「彼はその時家にいた。」となりますが、「He will be home soon.」というように「be」が原形となっている場合には「彼はすぐに家に帰ってきます。」という「動作」の意味になるのです。なお、原形の「be」を使って「be back」や「be home」と表現する場合も、「get」の場合と同じように「到着した時点」のことを指します。

さらに、「come」は「話している人のところに近づく」という意味で「来る」の意となり、「go」は「話している人のところから遠ざかる」という意味で「行く」という意味になります。「come back」や「come home」は「今いるところに戻ってくる」や「今ここは家だけれど、ここに戻ってくる」という意味になります。同様に「go back」や「go home」は「今いるところとは別のところに戻って行く」や「今ここは家ではないが、家に帰っていく」という意味となります。なお、「come back」や「come home」は「家に到着した時点」を指しますが、「go back」や「go home」については、「到着した時点」を指すとは限らず、「出発する時点」を指す場合が多々あります。

ちなみに、「back」や「home」はどちらか一方を使えば良く、「get back home」や「come back home」のように「back home」という2語を並べるのはあまり自然とは言えません。「back home」という表現は、やや大げさに聞こえたり、あるいは冗長に聞こえたりします。

return」 という言葉は、上記の「get back」や「come home」などのあらゆる状況に対して使える言葉で、とても便利ですが、「return」の時点が「到着した時点(=戻り終えた時点)」と「出発する時点(=戻り始める時点)」のどちらの意味にもなり得るため、明確に「到着した時点」として表現したければ「get」や「be」や「come」を使うのが良いでしょう。