「さがす」は、英語では「look for」「search for」「search」「seek」のように表現されます。

「look for」の「look」というのは、多くの辞書には「見る」と書かれており、多くの日本人英語学習者もそのように思っているようですが、実際は「look」は「見る」というよりも「目を向ける」という意味で解釈した方が良いでしょう。「look」は基本的に「自動詞」として機能し、その後ろには「前置詞+名詞」の形が続きます。

「look」の後ろに「1点」を表す前置詞の「at」が続けば、「look at ~」で「~に目を向
ける」という意味になります。これが日本語の「見る」となるのです。

また、「look」の後ろに「at」ではなく「for」を伴った場合、この「for」は「~を求めて」という「追求」の意を表します。つまり「look for」とは、「~を求めて目を向ける」という意味となり、これが日本語での「さがす」という意味になったものと言えるのです。

 

さて、この「for」ですが、次の「search for」「search」の違いを理解する上でも重要です。

「search」は、後ろにいきなり「目的語」を伴う場合もあれば、後ろに前置詞「for」を伴ってから「目的語」を伴う場合もあります。

例1: They searched the car.
例2: They searched for the car.

この2つは全く違う意味となります。

先に「例2」の方から見てみましょう。これは前置詞「for」が使われていますので、「その車を求めて捜索した」という意味となります。つまり、「その車」というものが行方不明になっていて、それを求めて探した、ということが言いたいわけです。

ところが「例1」の方には「for」がありません。「for」がない時の「search」は「探す」は「探す」でも「その場所を捜索する」という意味となります。つまり、「search the car」というのは、「その車の中を調べてみる」という意味となるのです。例えば、「search the car」の後ろに、「for his bag」のような言葉がつくと、「彼のカバンを求めて、その車の中を調べる」という意味となります。

警察ものの映画などでも「Search him.」のような台詞がよく出てきますが、これも「彼の身体を探って、何か武器などを持っていないか調べろ。」という意味であり、決して「彼を捜してこい」という意味ではありません。

「search」という語は、このように「for」があるのかないのか、で大きく意味が違ってきてしまうので注意しましょう。

 

「seek」という言葉もまた「さがす」という意味となりますが、これは固い表現で、「求人広告」などではよく使われますが、日常的な会話ではあまり使われません。「seek」は、「search」と同じように「for」という前置詞を伴う場合もあれば、伴わない場合もあります。「for」がなければ他動詞としての機能となり、「for」があれば自動詞と
しての機能となりますが、「search」と違って、どちらの場合でも「seek」は「探し求める」という意味となります。

ただ、上述したように「seek」自体が固い表現と思われるような言葉ですから、単に「探す」と言いたければ、日常的には「look for」を使った方が無難と言えそうです。