「閉める」は、英語では「close」「shut」という語で表現されます。

「close」は、「また開けられる可能性がある」という含みを持って「閉める」という場合に使われ、「shut」は「容易にには再び開けられることはない」という含みを持って「閉める」という場合に使われます。

このことから、「close」には「緩やかに閉める」「丁寧に占める」という雰囲気が感じられ、逆に「shut」には「乱暴に閉める」「ピッタリ閉める」という雰囲気が感じられます。

通例、「道路」「駅」「港」「空港」などが「一時的に閉鎖されている」と表現する場合には「close」が使われ、「shut」は使われません。また、「目を閉じてください」のように「あとで再び開けても良い」という意味の場合にも「shut」は使われず、「close」が使われるのが普通です。さらに「店を閉める」「店が閉まる」「催し物が終了する」「手紙を締めくくる」など、「終える」や「終わる」の意の場合には、どこか「再開」のイメージを残して「close」が使われるのが普通で、このような場合に「shut」はたいてい使われません。

一方、相手を黙らせたい時などに、強う語調で「Shut up!」と言いますが、これは「再び口を開けないでほしい」という気持ちが込められているため「shut」が使われていますが、これを「close」に置き換えることはできません。また「閉じ込める」という意味で「shut+物+in+場所」のような表現がありますが、これも「容易には再び開けられることはない」という意味合いが込められているならば「close」には置き換えられません。

以上のように「再び開けられる可能性の有無」をぼんやりとほのめかしながら「close」と「shut」は使い分けられるのですが、細かな用法を除いては、多くの場合、両者はほとんど同じ意味で使われますので、あまり神経質になる必要はないでしょう。