「話す」や「言う」は、英語では「speak」「talk」「tell」「say」という語で表現されます。
「speak」は、「自動詞」としては「一方的に話す」の意となり、「他動詞」としては「言語を話す」の意となります。
「speak」の名詞形は「speech」です。「speech」というのは、通常、人前で、聴衆に向かって一方的に話すこと、つまり「演説」などの意を表します。
このことから、「speak」というのは、基本的には「相手との会話のキャッチボール」ではなく、「自分一人で、一方通行のように話す」という場合に使われます。
「speak」は主に以下のような形式で使われます。
(a) speak with+人
「(人)と話をする」(自動詞)
(b) speak to+人
「(人)に向かって話す」
「(人)に話しかける」(自動詞)
(c) speak about+事柄
「(事柄)について話す」
「(事柄)について話し合う」(自動詞)
(d) speak+言語
「(言語)を話す」(他動詞)
(e) speak in+言語
「(言語)で話す」(自動詞)
「talk」は、基本的に「自動詞」として機能し、「2人以上で話す」「話し合う」「おしゃべりする」などの意となります。「speak」と異なり、2人以上の人達が「双方向で話す」という場合に「talk」が使われます。
「talk」は主に以下のような形式で使われます。
(f) talk with+人
「(人)と話をする」(自動詞)
(g) talk to+人
「(人)に向かって話す」
「(人)に話しかける」(自動詞)
(h) talk about+事柄
「(事柄)について話す」
「(事柄)について話し合う」(自動詞)
「tell」は、基本的には「他動詞」として機能し、「意味のある内容を伝える」という意味になります。「意味のある内容」というのは「物語」や「考え」などです。「tell」には「人に伝える」という意味があることから、「話す」や「伝える」という日本語の他に「言う」「述べる」「命令する」「告げる」などの意味になります。
また「can」と共に機能し、「違い」や「事実」などを想像して「言い当てることができる」の意となることもあります。
「tell」は主に以下のような形式で使われます。
(i) tell+人+事柄
「(人)に(事柄)を伝える、言う」(他動詞)
(j) tell+事柄+to+人
「(人)に(事柄)を伝える、言う」(他動詞)
(k) tell+人+about+事柄
「(事柄)について人に伝える、言う」(他動詞)
(l) tell+人+to不定詞(to+動詞の原形)
「(人)に~するように言う、命令する」(他動詞)
(m) can tell+事柄
「(想像して、事柄がそうであると)言い当てることができる」(他動詞)
(ただし、「事柄」に当たる部分が既出の場合は省略されることがある。)
「say」は、「他動詞」として機能し、人が発する言葉(「yes」「hello」「such a thing」など)を「声に出して言う」「セリフのように言う」の意となります。
「say」は主に以下のような形式で使われます。
(n) say+言葉+to+人
「(言葉)を(人)に向かって声に出して言う」(他動詞)
(ただし、「言葉」に当たる部分が「that節」や「直接話法の発話部分」の場合には「to+人」の部分が先行する。)
(o) say+言葉+about+事柄
「(事柄)について(言葉)を声に出して言う」(他動詞)
(ただし、「言葉」に当たる部分が「that節」や「直接話法の発話部分」の場合には「about+事柄」の部分は通常つかない。)