「返答する」は、英語では「answer」「reply」「respond」という語で表現されます。

 

「answer」は、 「ask(尋ねる)」という動作に対して「答える」という場合に使われる最も一般的な語です。通例、人からの「質問(question)」や「手紙(letter)」に対して「答える」や「返事を出す」の意で使われますが、その際、目的語には「質問」や「手紙」だけでなく、「質問した人」も置かれます。「answer the question」や「answer his letter」や「answer him」といった具合です。これらの目的語が文脈などから明確な場合には、目的語をつけずに自動詞として機能します。

 

reply」 は、「answer」よりもかしこまった表現とされています。「answer」は「正解」を漠然とイメージしながら「答える」という場合にも使われることがありますが、「reply」は「正解を答える」というよりは「相手からの呼びかけに折り返し返答する」という意味となります。また、「reply」は通常「自動詞」として機能するため、「answer」の場合に目的語として置かれるような言葉をつけ足したい場合には、「reply」の後ろに前置詞「to」を入れる必要があります。「reply to the question」や「reply to his letter」や「reply to him」といった具合です。

 

「respond」は、「反応する」や「応答する」という意味で、これも「answer」よりもかしこまった表現とされています。「人の感情」などに働きかけるような事柄を示された後で、それに対して「反応する」といった場合や、「何かしらの要求」が投げかけられたことに対して「応答する」という場合に「respond」が使われます。つまり、「何かしらの反応が期待されるような場面」で、それに対して「反応する」という場合に「respond」が使われるのです。「reply」の場合は「何かしらの反応が期待されている」とは限らず、単に「折り返し返答する」という意味で使われます。ただ、「respond」の用法はほとんど「reply」と同じで、「respond to the question」や「respond to the letter」や「respond to him」といったように表現することができます。