「用意する」は、英語では「prepare」「prepare for」「get ready」「get ready for」「have(またはget)〜 readyのように表現されます。

 

「prepare」は、「他動詞」として機能し、すぐ後ろに「目的語」を置いた形で使うことができます。この場合、「人に提供する」などの目的で、「目的語となっているものを用意する」という意味になります。

これに対し、「prepare for」は、「prepare」と似ていますが、少し違います。

「prepare for」の場合は「for」という前置詞が後ろに続くので、「prepare」自体は「自動詞」ということになります。つまり「何かを用意する」のではなく、「自分自身が準備する」や「自分自身が心構えをする」といった意味となります。また、「for」というのは「〜に備えて」という意味を表します。

「prepare Aの場合は、「Aそのものを用意する」という意味になりますが、
「prepare for Aの場合は、「Aそのものを用意する」のではなく、「Aに備えて、自分自身が準備する」という意味になったり、あるいは「Aに備えて、A以外のことを事前に準備する」という意味になります。

例1: She has to prepare dinner tonight.
「彼女は今夜夕食を用意しなくてはならない。」
(人に提供する目的として、「夕食そのもの」を用意する、という意味。)

例2: She has to prepare for the party.
「彼女はそのパーティーに備えて準備しなくてはならない。」
(前置詞「for」が置かれていることから、「パーティーそのもの」を用意するのではなく、「パーティーに備えて自分自身が準備をする」あるいは「パーティーに備えて、パーティー以外の事を事前に準備する」という意味。主語の「she」がパーティーの主催者だったならば、主催者として「買い出しに行く」や「会場のセッティングをする」や「料理を作る」といった意味になる。パーティーの主催者ではなく、参加者の一人であった場合には、「身支度をする」や「持ち物を確認する」や「心の準備をする」といった意味となる。)

 

「get ready」は、「自動詞」として機能し、「何かを用意する」ではなく、「自分自身が準備する」や「自分自身が心構えをする」といった意味となります。

これの後ろに「for」がついて、「get ready for」という形になると、上述の「prepare for」と同じような意味合いとなります。つまり「〜に備えて自分自身が準備する」や「〜に備えて別の事を事前に準備する」といった意味になります。

例3: You must get ready now.
「あなたは今すぐ準備をしなくてはならない。」

例4: She has to get ready for the party.
「彼女はそのパーティーに備えて準備しなくてはならない。」
(上述の「例2」とほぼ同じ意味。)

 

さらに、「have(またはget)〜 ready」という形は、「〜が用意されている状態にする」という意味となります。この表現は、「今はまだ用意ができている状態ではない」というものに対して、「用意ができている状態へと変化させる」という場合に使われます。主に「状態の変化」を強調したい場合にこの表現が使われます。

なお、「have」と「get」の違いとしては、「have」の方が「とにかく準備ができている状態に変化させれば良い」という意味になるのに対し、「get」の方は「しっかりと取りかかって、準備ができている状態へと積極的に変化させるべきだ」のような意味合いが含まれます。

例5: Please have your passport ready.
「パスポートをご準備ください。」
(この先のゲートなどでパスポートが必要となるので、すぐにカバンなどから出せるようにご準備下さい、という意味。「準備ができていない状態」から「準備ができている状態」へと、とにかく変化させれば良い、という意味合いが含まれる。)

例6: You need to get your report ready by noon.
「君は正午までに君の報告書を準備する必要がある。」
(今はまだ「準備ができていない状態」であるが、今からしっかりと取りかかり、「準備ができている状態」へと積極的に変化させる必要がある、という意味。)