「誰か」は、英語では「somebody」「someone」「anybody」「anyone」のように表現されます。
「somebody」と「anybody」には、どちらも「-body」という言葉がついています。「body」は「身体」の意なので、「人間であれば誰でも良い」というイメージが含まれた上で「誰か」という場合に使われます。
一方、「someone」と「anyone」には、どちらも「-one」という言葉がついています。「one」というのは「ある人間を想定した上で、その人間の代名詞となる言葉」と言えます。つまり、「someone」と「anyone」は、どちらも、「誰かしらの人物」を想定した上で「誰か」という場合に使われます。
また、「some-」と「any-」の違いですが、「some-」の方は「漠然とした存在」を表すのに対し、「any-」の方は「有無」を表すという違いがあります。
「some-」は「存在」を表すのですから、基本的には「肯定文」で使われ、「誰かがいる」というようなイメージで使われます。
一方、「any-」は「有無」を表すのですから、「いるの、それともいないの?」と尋ねるような「疑問文」で使われます。ただし、「any-」が「否定文」で使われた場合には、「有無」のうちの「無」を表すことになるので、「誰も〜ない」というように「完全な無」を表します。さらに「肯定文」では、「有無」のうちの「有」を表すので、「いるならば誰でも良い」ということになり、「誰でも」という譲歩的な意味合いが含まれます。
例1: Somebody is at the door.「ドアのところに誰かがいる。」
(誰だか予想がつかないが、とにかく「人」の気配を感じている場合。)
例2: Someone is at the door.「ドアのところに誰かがいる。」
(来客の予定があるなど、「誰か」を想定している場合。)
例3: Is anybody there?「そこに誰かいるのか?」
(誰だか予想がつかないが、物音がするなど、「存在の有無」を尋ねている場合。)
例4: Did you see anyone at the party?「そのパーティで君は誰かを見かけた?」
(「知っている誰か」を思い浮かべている場合。)
ただし、「somebody」と「someone」の区別、および「anybody」と「anyone」の区別は厳密なものではなく、どちらも同じように使われることも多々あります。
なお、「呼びかけ」の際には「somebody」が一般的とされています。
例5: Somebody! Come here, quick!「誰か! 急いで、ここへ来てくれ!」