「トイレ」は、英語では「bathroom」「rest room」「lavatory」「toilet」「washroom」「ladies’ room」「men’s room」「powder room」のように表現されます。

 

「bathroomは、元々「浴室」という意味の言葉ですが、アメリカの家庭では「トイレ」という意味で使われるのが一般的です。アメリカの多くの家庭では「風呂場(バスタブ)」と「トイレ(便座)」は同じ空間に設置されています。このため、「バスタブ」と「便座」がある空間をまとめて「bathroom」と呼ぶのです。「go to the bathroom」と言えば、「浴室に行く」ということになりますので、「トイレ」という目的であるということを遠回しに表現することができるのです。

また、学校でも、小さな子供にとっては「家庭の延長」であると考えられるため、アメリカでは学校のトイレも一般的に「bathroom」と呼ばれます。

いずれにせよ、「トイレ」というものは、その目的をあまりはっきりと表現したくないという意識が英語圏ネイティブ達には強くあるようで、なるべく婉曲な表現が好んで使われるのです。

 

「rest room」は、「一休みのための部屋」という意味ですが、これまた「トイレの婉曲的な表現」です。これは街の中にある「レストラン」や「劇場」や「ホテル」などで使われる傾向があります。「rest room」は、「restroom」のように1語で綴られる場合もあります。

 

「lavatory」は、婉曲的な表現ではなく、むしろ「正式な表現」として「トイレ」の意を表す言葉です。「正式な表現」ということで、よく見かけられるのは「航空機の中」です。

 

「toilet」は、「便器・便座・タンク」などのトイレ一式を指す言葉、あるいは「便器」を指す言葉であり、「直接的な表現」であると言えます。上述したように、英語圏ネイティブ達は「あまりはっきりと表現したくない」という意識を持っているため、どうしても「トイレ」のことを指すのだ、という場面でない限り、「toilet」という言葉は極力避けられる傾向にあります。複合語として「toilet paper」「toilet bowl(便器)」といった言葉があります。

 

「washroom」は、やや古い表現ですが、「rest room」のように主に公共の場で使われますが、一般家庭でも使われることもあります。「wash」は「洗う」の意ですから、「何か」(一般的には「手」)を洗う部屋ということになり、これもトイレの婉曲的な表現となります。

 

「ladies’ room」は、「女性達の部屋」ということで、これも婉曲的に「トイレ」の意味となります。同様に「men’s room」という表現もあり、これは「男性達の部屋(男性用トイレ)」です。「女性」ということで言えば、「powder room」は「化粧室」という意味で、これもトイレの婉曲的な表現となります。