長い期間、英語学習を続けているにも関わらずなかなか身につかないのだとしたら、以下のことを疑ってみると良いでしょう。
「易しい内容のものを何度も繰り返す、ということをあまりしていない。」
これは英語学習に限ったことではないかもしれません。
「易しい内容のものを何度も繰り返す」ということを実践する人は、長い目で見て、より早くそのことを身につけていくものです。
しかし、「易しい内容のものを何度も繰り返す」ということをせず、「こんな簡単なことはもうできる、だから繰り返す意味がない」と思っている人ほど、意外に長い目で見て、そのことを身につけていくのに時間がかかってしまうようです。
英語学習に置き換えるならば、以下のようなことをやってみると良いでしょう。
■「易しい単語」と「易しい文法」を使って「易しい文」をたくさん書く。
■「易しい内容の英文」を毎日たくさん読解する。
■「易しい単語」が使われた「易しい英文」を声に出して何度も読む。
■「易しい単語」を使って「易しい文」を作って声に出して言ってみる。
「易しいもの」を繰り返さない人は、「簡単だからつまらない」という気持ちになるのでしょう。
しかし、「易しいもの」であっても、「とっさに、瞬間的に、無意識に」対応できなければ意味がありません。
例えば、私(久末)は高校時代、アメリカで10ヵ月生活したことがありますが、日常生活で使われる表現は、全てが難しいというわけではありませんでした。
意外なほど、日常的に使われる英語表現には「シンプルで簡単なもの」が多いのです。
10ヵ月の留学生活を終えて日本に帰国した私には、「難しい英語が話せるようになった」という自覚はほとんどありませんでした。
むしろ、「易しい英文が、とっさに、瞬間的に、無意識に出るようになった」という感覚の方が強くありました。
「He is my friend.」や「I like music.」といった簡単な英文を、ほとんど無意識に、とっさに出せるようになった、というのが10ヵ月の留学生活の成果だったように思います。
帰国後、日本の学校のクラスメートに「そんな簡単な英文なら、俺でも作れるよ!」と言われたことを覚えています。
しかし、「とっさに、瞬間的に、無意識に」やれるか、と言えば、きっとそのクラスメートにはできなかったことでしょう。
大事なことは、まさにこれだと思います。
「易しい内容のものを何度も繰り返す」ということによって、「易しい内容のものが、とっさに、瞬間的に、無意識に扱えるようになる」のです。
「易しい内容のもの」は、少し時間があれば簡単に扱える、だから繰り返すのは無駄だ、と言っている人ほど、そのことを「とっさに、瞬間的に、無意識に」は扱うことができません。
「頭で分かっている」ということと、「無意識に反応できる」ということは全然違います。
「易しい内容のものを何度も繰り返す」ということを実践すれば、英語に限らず、どんなことであっても「とっさに、瞬間的に、無意識に」対応することができるようになり、そのことがつまりは「身についた」ということになるのだろうと思います。
<おしまい>