「他人も大事だけど、やっぱり自分の方が大事だ!」という考え方は、私もよく理解できます。
本当にそうだな、とシンプルに思います。
でも、その反対もまた、大事だと思います。
例えば、学校の「クラス」で考えてみたらどうでしょうか?
あなたが学生であろうと、そうでなかろうと、「学校の1つのクラス」を思い浮かべてみてください。
そのクラスには、仮に40人の生徒がいたとします。
その中で、「自分の利益だけを考えるのではなく、他者の利益も考えられる人の割合」を「A」とし、
逆に「自分の利益だけを考える人の割合」を「B」とします。
仮に、他者の利益も考えられる人がかなり少数で、Aの割合が5%、Bの割合が95%だったとしましょう。
他者の利益を考えられる人が、40人中、たった2人です。それ以外の38人は「自分のこと」しか考えられません。
大半は「他人のことよりも、自分が大事」と思っているのです。
このようなクラスは、あなたにとって「居心地が良い」でしょうか?
あるいは、このクラスで何か学校の催し物でもしようとなった時に、そのクラスは「良い結果」を残すでしょうか?
おそらく、大抵の人はどちらの質問にも「いいえ」と答えることでしょう。
クラスのほんの5%しか他人のことを考えられていないようなクラス、いわば「ほとんどみんなが自分のことしか考えていないクラス」では、きっと居心地も悪いし、全体で何か良い結果を生めるとは思えません。
では、この割合が逆転したらどうでしょうか?
「他者の利益も考えよう」とする人が全体の95%、つまり、40人中38人です。
反対に「自分のことだけ」を考える人は、5%、つまり40人中2人だけ。
このようなクラスだとしたら、恐らく、ほとんどの人が「居心地が良い」と思うことでしょうし、クラスで何か催し物をした場合には「きっと良い結果を残すだろう」と思うことでしょう。
つまり、ある集団について考えた時、「自分のことだけでなく、他人のことも考えられる人が多い」ならば、それはきっとみんなにとって心地良い集団となり、その逆で「みんなが自分のことばかり考えている」ならば、その集団はきっと心地良くない、ということです。
このことを、もう少し規模を大きくして「日本全体」で見るとどうでしょうか?
今の時点で、日本全体で、AとBのどちらが多いかはなんとも言えませんが、少なくとも、ここから先の未来に向けて、私達の多くは「Aを増やしたい」と考えるのではないでしょうか。
もしそう考えるならば、私も、これを読んでいるあなたも、まずは自ら率先して「自分の利益だけを考えるのではなく、他者の利益も考える」ということを意識してみるべきだと思います。
子供への教育について考えることは、つまりは、大人達が「今の自分自身を見つめ直す」ということなのだと思います。
<つづく>