しつこいようですが、まずはおさらいです。

「関係代名詞」は、「先行詞が人間であるかどうか」という点と、「関係代名詞が関係節の中でどんな格の働きをしているか」という点によって、以下の表のように分類されます。

関係節内での働き=「主格」 関係節内での働き=「所有格」「独立所有格」 関係節内での働き=「目的格」
先行詞=「人」 who whose whom
先行詞=「人以外」 which (whose)
(of which)
which
先行詞=「人・モノの区別なし、あるいは文脈上特定されている語」 that that

これを踏まえ、以下を見てみましょう。

2.  We  need  an  actor    (    )   eyes  are  brown.
→ 私達は目が茶色である役者を必要としている。

3.  We  need  an  actor    (    )   everybody  can  recognize  immediately.
→ 私達は誰もがすぐに認識することができる役者を必要としている。

どちらも「先行詞」となっている言葉は「actor(=役者)」で、「人」を表す言葉ですから、上記の表のうち、1段目(先行詞=「人」)と3段目(先行詞=「人・モノの区別なし」)」のどちらかから選ぶことになります。

次に考えるべきは、「格」です。

先行詞である「actor」を、仮に「彼」という代名詞に置き換えてみる、ということを頭の中でやってみます。

これまた前回の繰り返しとなりますが、「彼」というのは、以下のように「格変化」します。

・主格= 「he」(彼は/彼が)
・所有格= 「his」(彼の)
・目的格= 「him」(彼を/彼に)
・独立所有格= 「his」(彼のもの)

実際には、上記の英文のカッコの中には「彼」ではなく、「関係代名詞」が入るのですが、頭の中で、カッコの中に入れる関係代名詞の「格」を確定するために、まずは「オレンジ色の部分」だけを切り取ってみて、「1つの文」にしたらどうなるかを考えてみます。

2の文では、オレンジ色の部分は「(    )   eyes  are  brown.」となりますね。

このカッコの部分を見てみると、どうやら「His」という「彼の」という言葉が入りそうですね。

よって、2の文のカッコの中に入れるべき関係代名詞の「格」は「所有格」であると判明しました。

そうしたら、今度は、再び上記の表に戻り、「所有格」であり、かつ「1段目」と「3段目」から選べば良いのですが、3段目には所有格に当たる関係代名詞がありませんので、1段目の「whose」を選ぶことになります。

《正解》
2.  We  need  an  actor    ( whose )   eyes  are  brown.
→ 私達は目が茶色である役者を必要としている。

同じ要領で、3番目についてみてみましょう。

3.  We  need  an  actor    (    )   everybody  can  recognize  immediately.
→ 私達は誰もがすぐに認識することができる役者を必要としている。

この文では、オレンジ色の部分は「(    )   everybody  can  recognize  immediately.」となります。

ここで、カッコの中に何が入るのかを考えてみると、「everybody」が既に主語ですので「he(主格)」は入りません。

また「his(所有格)」も入りませんね。

実は、ここでは「him」という「目的格の言葉」が入るのです。

順番としては、本来であれば、「Everybody can recognize him immediately.」のように、動詞「recognize」のすぐ後ろに「him」が入るのですが、ここでは「関係代名詞」が導く節として使われているので、カッコの位置が前に来ているのです。

つまり、3の文では、「目的格の関係代名詞」を選ぶことになります。

さて、上の一覧表に戻りますと、目的格であり、かつ、「1番目」と「3番目」の段から関係代名詞を選ぶとすると、「whom」か「that」のどちらかとなりますね。

そうなると、以下のようになるはずです。

3.  We  need  an  actor    ( whomもしくはthat )   everybody  can  recognize  immediately.
→ 私達は誰もがすぐに認識することができる役者を必要としている。

ところが、目的格の場合の関係代名詞は、少し注意が必要です。

次回、目的格の関係代名詞の注意点について解説します。
どうぞお楽しみに!