つい先日書いた「前置詞句」について、補足があります。

ネットで「前置詞句」で調べると「前置詞+名詞のかたまりのこと」などという、およそ英文法のなんたるかを理解せず、単に感覚的に言葉を使って説明を試みようとする人がたくさんいます。

前も書きましたが、「in the room」などの句を「前置詞句」などと呼んでいたのでは、文法(文における法則)というものを、一貫性を持って説明することなどできません。

では、「in the room」のように「前置詞から始まる句」が前置詞句ではないとしたなら、これらは一体なんて呼べば良いのでしょうか?

例1: The babies *in the room* were all asleep.
   「*その部屋の中の*赤ん坊たちはみんな眠っていた。」

例2: He was jumping up and down *in the room*.
   「彼は*その部屋の中で*上へ下へと飛び跳ねていた。」

「in the room」のように、「前置詞+名詞」となって1つの働きをするような句は、基本的に「修飾部分(M)」となります。

上記の例1では、「in the room」の部分は「babies(赤ん坊)」という名詞を修飾しています。

「名詞」を修飾する品詞は「形容詞」です。

従って、上記の例1では、「in the room」は「形容詞句になっている」と解釈できます。

では例2ではどうでしょうか。

例2では、「in the room」の部分は「was jumping(飛び跳ねていた)」という動詞(の進行形)を修飾しています。

「動詞」を修飾する品詞は「副詞」です。

つまり、上記の例2では、「in the room」は「副詞句になっている」と解釈できるのです。

このように、「in the room」など、前置詞から始まって、「前置詞+名詞」というかたまりになっているものは、ある時は「形容詞句」となり、またある時は「副詞句」になる、ということなのです。

決して、「前置詞句になる」ということではありません。

ネットで、こんな質問を見つけました。

「前置詞句、形容詞句、副詞句の見分け方を教えてください」

ですって。

幸いにも、この質問に答えた方が、私と同じような見解で「前置詞句という名称の不自然さ」について説明されていました。

ところが、他の質問サイトで、「前置詞句とはなんですか?」という問いに対し、まさに私が前回書いたような「やってはいけない説明」を書いている人がいました。

「前置詞句」という言葉自体が、もはや、勝手に暴走しているような感すらあります。

では、「in front of」や「by way of」などのことを何と呼べばよいでしょうか?

本当ならば、これらこそ「前置詞句」という名前をつけられるのにふさわしいものなのですが、世の中の「一貫性のない説明」のせいで、そう呼ぶのも混乱を招きそうです。

そこで、「in front of」や「by way of」などについて、私は自分が書いた文法書では「前置詞句」という表現を避け、「群前置詞」という名称を使うことにしました。

これは、名の通った文法書でも使われている表現で、とても理にかなっていると言えます。

これ以上、「誤った前置詞句の解釈」を拡散させないよう、このブログ記事を読んだ方は是非気にしてみてください。

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