(「ここが変だよ学校英語」シリーズ過去記事はこちら。)
「次の英文を疑問文に変えなさい。」のような問題、中学校の教科書などでよく見られます。
例えば、「She has some notebooks.」という文。
ここに出てくる「some」という言葉ですが、これは、この文では「漠然と、何冊かの〜」という意味になります。
この英文を「疑問文」に変えなさいとなると、中学校では、「some」を「any」に変えましょう、のように指導します。
すると、「Does she have any notebooks?」となる、ということです。
しかし、どうして疑問文になると「some」を「any」に変えるのでしょうか?
その辺りの説明は、中学校では一切ありません。
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まず、前回までにご説明した通り、「some」は「全体の中の一部」あるいは「漠然とした存在」を表し、「any」は「有無」を表します。
「She has some notebooks.」という文では、「notebooks(ノート)」という名詞に対し、「some」という言葉が「漠然とした存在」を表しています。
つまり、「彼女は、(漠然と)何冊かのノートを持っている。」という意味になるのです。
「some」は、「数量的な意味合い」を含むこともありますが、必ずしも具体的な「数」を表すわけではありません。
なんとなく、漠然と、ざっくりとした感じで「何冊か」という言い方をしているにすぎません。
この文を「疑問文」にしようとすると、「漠然とした存在」の意味のまま、「彼女は何冊かのノートを持っていますか?」という文にすると、それは意味的に不自然となります。
そこで、「any」を使って表現しようということなのです。
「any」は「有無」を表しますので、「Does she have any notebooks?」とすると、それは、「彼女は、1冊でもノートを持っていますか?」というように、「最低1冊でも良いけれど、とにかく、有るのか無いのか、どちらですか?」という聞き方になるのです。
従って、「any」には「複数冊」というイメージはなく、「最低1冊でもありますか?」という意味となります。
しかし、「最低1冊でも?」と聞いているわりに、後ろの名詞が「notebooks」というように複数形になっているのはおかしいのでは?、と疑問を持った方もいらっしゃるかと思います。
「any」が疑問文において「名詞」を修飾する場合、その名詞の「有無」を尋ねるわけですが、もしも「有る」という答えが返ってくる場合に「単数の答え」を期待しているか、あるいは「複数の答え」を期待しているかによって、「any」の後ろの名詞を「単数形」にするか「複数形」にするかが異なるのです。
「Does she have any notebooks?」という聞き方は、「有無」を尋ねているのですが、もし「Yes」という返答だった場合には、きっと1冊ではなく、複数冊の可能性が高いだろう、という意味を込めて「notebooks」という複数形にしているのです。
「Do I have any choice?」という文ならば、これまた「有無」を尋ねているのですが、「私は選択の機会を持っているのでしょうか?」という意味になり、これに対する返答として、もしも「Yes」ならば、それは「1つのchoice」という返答になるだろう、という思いから「choice」は単数形になるわけです。
というわけで、「any」が疑問文になった場合には、「someの代わり」に使われるということではなく、結局は「有無を尋ねる」という意味で使われるということなのです。
そうすると「some」は疑問文では使われず、必ず「any」に置き換わって「有無」を尋ねる文になるのか?というと、そうでもないのです。
「some」であっても「疑問文」で使われることもあるのです。
次回は、「疑問文におけるsome」について考えてみましょう。
どうぞお楽しみに!
<続く>
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