日本語では「カタカナ」で表示されながら、そのままでは「英単語」として認識されない言葉があります。
それをご紹介していくシリーズの「011」番です。
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011:「ガレージ」
「ガレージ」とは「車庫」のことですね。
この言葉、英語では「garage」と書かれます。
見たところ、「ガレージ」あるいは「ガレイジ」と読めそうな気がします。
しかし、これの発音記号は[gəˈra:dʒ]となります。
敢えてカタカナで書くとしたなら「ガラーヂ」あるいは「グラーヂ」のようになります。
まず、最初の[gə]の音ですが、これは、「ガ」と「グ」のどちらとも言えないような発音となります。
はっきりと「ガ」でもなく、はっきりと「グ」でもありませんが、個人的には「グ」に近いような感じが良いと思います。
続いて、[ra:]ですが、これは、[r]の発音は日本語の「ラ行」とは違いますが、それさえ綺麗に発音できれば、後ろの[a:]についてはほとんど日本語の「アー」と同じように発音すれば良いのです。
この「ラー」の部分にアクセントが置かれます。
最後に、[dʒ]の発音。
これは、日本語では「ジ」と書かれがちですが、むしろ「ヂ」と書いた方が良いかもしれません。
日本語では「ヂ」という表記は、ほとんどすべて「ジ」に置き換えられる傾向にあります。
「オレンヂ」ではなく「オレンジ」。
「ブリッヂ」ではなく「ブリッジ」。
「ヂンクス」ではなく「ジンクス」。
例外として「チヂミ」や「はなぢ(鼻血)」などはありますが、現代の日本語では、「ヂ」という表記は「ジ」に置き換えられるのが自然と言えるでしょう。
「ヂ」と「ジ」は、日本語では同じ発音と言えるので区別はつかないでしょうが、英語では[dʒ]と[ʒ]というように2つの異なる発音記号で区別されます。
簡単に言えば「ヂ」は「チ」が濁った音で、「ジ」は「シ」が濁った音、ということです。
濁点を取れば、「チ」と「シ」は日本語でも明らかに発音方法が違いますね。
「チ」の場合は「舌先」が上の前歯より少し上の部分に触れてから発音されます。
「シ」の場合は「舌先」がどこにも触れずに発音されます。
これと同じで、[dʒ](ヂ)と[ʒ](ジ)では、[d]という記号がある方が「舌先」を上につけてから発音することになり、[d]がない場合は「舌先」をどこにも触れずに発音することになります。
すると、[dʒ]という発音は、日本語の「ジ」というよりも、濁点のない「チ」の方が遙か意に近い音になるのです。
では、[dʒ]は濁点のつかない「チ」か?と言えば、そうではありません。
「チ」の場合は、[tʃ]という記号になりますので、これはまた別物です。
そうすると、[dʒ]をカタカナで書くなら、やっぱり濁点をつけて「ヂ」ということになるのです。
さらに、この[dʒ]は、声帯を震わさないように「ひそひそ声」で発音するようにします。
例えば、上で挙げた「チヂミ」という言葉を発音してみましょう。
この時、「ヂ」の部分を発する際に「舌先」が口の中の上に触れることを確認して下さい。(普通に日本語で「チヂミ」という場合の「ヂ」では舌先は触れないでしょうが。)
そして、それを「ひそひそ声」で発してみます。
そうすると、最初の「チ」と次の「ヂ」の音が「ほとんど同じ」に聞こえるのが分かるでしょうか?
その「ヂ」の音が、今回の「garage」の最後の音となるのです。
ふ~、説明が長くなってすみません(笑)
でも、これで「garage」が正しく発音できました。
「ガレージ」という日本語のままでは通じないのがお分かり頂けたでしょうか?
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さあ、いかがでしたか?
またランダムでお届けしますので、次回をどうぞお楽しみに!
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