日本語では「カタカナ」で表示されながら、そのままでは「英単語」として認識されない言葉があります。
それをご紹介していくシリーズです。
(これまでの記事一覧はこちら。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
102:「トリップ」
本来は「小旅行」の意味を表す「トリップ」ですが、あまりカタカナで「トリップ」という場面は多くないかもしれませんね。
「トリップ」という言葉を調べてみると、「小旅行」の他に、「麻薬などでもたらされる幻覚症状」という意味がありました。
まあ、どちらであっても、「トリップ」というカタカナの発音は、英語では通じない可能性があるので注意が必要です。
<アメブロからの続きはここから>
「トリップ」は、英語のスペルで書くと、「trip」となります。
「なんだ、日本語のトリップで良さそうだぞ」と思った人もいるかもしれませんね。
ところが、これの発音記号は[tríp]です。
最初の音は「ト」ではなく、無声音の「t」という音なのです。
そして、「t」を無声音で発した後は、「r」の音につながります。
実は、「tr」という連続した音の場合、「t」の時に、かなり強く「空気をはじく音」が出ます。
仮に、「tr」の後ろの音が「ア」という母音だった場合には、「トラ」というよりは、「tr」が一体の音となり、聞き方によっては「チャ」に近い音になります。
まあ、「チャ」というのは言い過ぎですが、それでも、「トラ」という2つの音ではなく、「チャ」に近い1つの音のようになるのです。
これが「ア」ではなく「イ」となった場合には、聞き方によっては「チュイ」のように聞こえることもあるくらい、「tr」が一体の音として発音されるのです。
そもそも、「trip」という言葉には、母音は「i」の音しかありません。
従って、「アクセント」の置かれた部分は「ri」となるわけですが、日本語の「トリップ」という言い方の場合は、最初の「ト」の音がずいぶん間延びして聞こえてしまうのです。
さらに、最後の「p」の音も無声音となりますので、喉を振動させずに発する必要があります。
簡単な単語のようでも、日本語のままでは全然通じないという可能性もありますので、どうぞご注意を。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さあ、いかがでしたか?
またランダムでお届けしますので、次回をどうぞお楽しみに!
(これまでの記事一覧はこちら。)
本校では、1つ1つの「発音」を丁寧に指導しています。
キレイな発音を身につけたい人、あるいは発音の上達に苦しんでいる人は、どうぞお気軽にご相談ください。