日本語では「カタカナ」で表示されながら、そのままでは「英単語」として認識されない言葉があります。

それをご紹介していくシリーズです。
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327:「パラリンピック」

オリンピックと同時期に開催される「パラリンピック」。

これは英語の発音としてはかなり難しい方の部類となります。日本語のカタカナのまま「パラリンピック」と発音した場合、全然通じないということはありませんが、英語圏ネイティブ達の多くは違和感を覚えることでしょう。

さあ、今日も一緒に勉強しましょう!

 

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「パラリンピック」は、英語では「Paralympic」というスペルで書かれます。

これの発音記号は[pæ̀rəlímpik]となります。

まず大事なのは、毎度おなじみ「アクセントの位置」です。

この単語は、「平行」という意味のギリシャ語の「Para」と、「Olympic(オリンピック)」を足し合わせた言葉であるとされています。

よって、最初の「para」の部分にもアクセントがあり、後半の「lympic」の部分にもアクセントがあります。

1つの単語の中に2つのアクセントがある場合、通常片方は「第1アクセント」となり、もう一方は「第2アクセント」となります。

「第1アクセント」は、「強く」かつ「高く」発音されますが、
「第2アクセント」は、通例「アクセントがない」ような感じで発音されます。

「第2アクセント」という名前ですが、強くもせず、高くもしないで発音すると良いのです。
ただ、少々「長め」に発音するという程度です。

この単語の場合、最初の「para」の「pa」の部分に第2アクセントが置かれているので、ここは少々長めに発音すれば良く、「弱く、低め」に発音すると良いでしょう。決してこの部分を「強く、高く」発音してはいけません。

逆に、第1アクセントが置かれているのは「lympic」の「ly」のスペルの部分ですから、ここをグッと強く、高く発音するようにしましょう。

日本語のカタカナで「パラリンピック」と発音する場合、最後の「ピック」の「ピ」が高くなる傾向があるようですが、英語で発音する際は「リ」の部分が高くなるということになります。

そして、アクセントの次に重要なのが、「L」と「R」の発音の区別です。

最初の「para」のところには「ra」という「R」の文字(つまり発音)がありますが、後半の「lympic」のところには「ly」という「L」の文字(つまり発音)があります。

1つの単語の中に「L」と「R」の音が混在している場合、両者をきちんと区別して発音しなくてはなりません。

日本語では「パラリンピック」の「ラ」も「リ」もどちらも「舌先を口蓋につける」ようにして発音されることでしょう。

しかし英語では、「L」では舌先を口蓋につけますが、「R」では舌先を口蓋につけません。

また、「L」の発音は、日本語の「ラ行」よりもしっかりと発音されますので、単にカタカナのラ行で発音すれば良いというわけでもありません。

「L」と「R」の発音をきちんと区別して発音し、かつ適切な位置にアクセントを置けば、一発で「Paralympic」という言葉として通じることでしょう。

 

ちなみに、「パラリンピック」というのは、英語では「Paralympics」のように複数形で表現されるか、あるいは「Paralympic Games」のように表現されるのが普通で、さらに「the」が前につくのが普通です。

是非覚えておいてくださいね。
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さあ、いかがでしたか?
またランダムでお届けしますので、次回をどうぞお楽しみに!

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