日本語では「カタカナ」で表示されながら、そのままでは「英単語」として認識されない言葉があります。
それをご紹介していくシリーズです。
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391:「オーバー」
日本語で「オーバー」と言えば、「大げさな」といった意味の場合と、「冬に着る上着」という意味の2つがあると思います。
どちらの意味であっても、日本語のカタカナで「オーバー」と言っても通じない可能性が高いでしょう。
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まず、「大げさな」という意味での「オーバー」は、英語では、「exaggerate」あるいは「overreact」という動詞を使って表現することができます。
「exaggerate」は、わりと難しい言葉かもしれませんが、一応発音記号を確認しておくと[igzǽdʒərèit]のようになります。
これは「大げさに言う」や「誇張する」といった意味の動詞であり、通例「人」を主語にして用いられます。
「exaggerate」はたいてい「○○を」の意にあたる目的語を後ろに添え、「他動詞」として機能しますが、「現在進行形」という形となり、「You are exaggerating.」や「I am not exaggerating.」のような表現では「自動詞」として機能することもあります。
もう1つの「overreact」は、「over」と「react」が合わさった単語で、これまた発音を確認しておくと[òuvərriǽkt]となります。単語の「後ろの方」にアクセントが置かれる、という点に注意しましょう。
「react」は「反応する」という意味の動詞であり、これに「〜を超えて」という意味の副詞「over」が合体したのが「overreact」という動詞となります。
つまり、「overreact」は「標準的な程度を越えて反応する」という意味となり、これがひいては「大げさに反応する」という意味になるのです。
「react」が元々「自動詞」なので、「overreact」もまた「自動詞」として機能します。
日本人が「大げさだ」という意味で「オーバー」という言葉を使うのは、おそらく、この「overreact」の先頭の「over」の部分だけを抜き取ったものではないかと想像できますね。
さて、次に、カタカナの「オーバー」のもう1つの意味である「冬に着る上着」についてご紹介します。
その前に、「冬に着る上着」の意の「オーバー」は、もしかしたら、既に日本語としても古い言葉(=死語)となっているでしょうか?
若い方はもしかしたら「オーバーって何?」と思うかもしれませんが、ある程度「若くない方(私を含め)」は、「冬に着る上着」の意の「オーバー」は、そのままカタカナでは英語として通じない、ということを覚えておきましょう。
この意味の「オーバー」は、「overcoat」と表現されます。
これの発音記号は[óuvərkòut]となり、アクセントは単語の「前の方」に置かれます。
この単語の前半の「over」だけが切り取られて、日本語では「オーバー」と呼ばれるようになったのでしょうね。
「overreact(大げさに反応する)」であっても、「overcoat(オーバーコート)」であっても、どちらも「over」という言葉が前半に置かれています。
この単語自体も、日本語のカタカナの「オーバー」とは異なります。
「over」は、[óuvər]という発音記号なので、まず最初は「オー」ではなく「オウ」という二重母音となります。
また、カタカナの「バー」に当たる部分は、英語では「B」ではなく「V」のスペルなので、上下の唇をぴったり閉じて発音してはいけません。
「下唇のやや内側」と「上の前歯4本ほど」の間で空気がこすれ出るような感じになるよう力を加減しながら、「ヴァ」と発音しましょう。
ついでに、最後の[ər]は「こもったア」のような音になりますので、これも注意しましょう。
是非覚えておいてくださいね。
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さあ、いかがでしたか?
またランダムでお届けしますので、次回をどうぞお楽しみに!
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