以前、本ブログで「正しい日本語って…」というタイトルで記事を書きました。
日頃、あちこちで目にする日本語で、「これはおかしい!」というものがたくさんあるように思います。
そのうちの1つに、「ご覧頂けます」や「ご利用頂けます」ように、「~頂けます」という表現があります。
これは、明らかに「間違った表現」です。
「見る」の尊敬語として「ご覧になる」という言葉を使うのは良いですが、「ご覧になる+できる」というように、「可能」の意味を持たせたい時に「ご覧頂けます」とするのは、日本語として間違っています。
「ご覧になる」という場合は、主語は「相手」となります。
一方、「ご覧頂く」というのは、主語が「自分」の時の表現です。(「頂く」のは「自分」だからです。)
つまり、「ご覧頂けます」という表現は、実際に「見る(ご覧になる)」ということをする人が「相手」でありながら、「自分が頂く(ことができる)」という表現になっており、理屈が通っていないのです。
では「~頂けます」としないのならば、他にどのように表現すべきでしょう?
答えは「~になれます」という表現です。
【╳】ご覧頂けます
【○】ご覧になれます
【╳】ご利用頂けます
【○】ご利用になれます
「~頂けます」と言わずに、「~になれます」という表現を意識的に使うようにしましょう。
さらに、他にもおかしい表現として、「~頂けますようお願い申し上げます」というものがあります。
あるいは、少し似た表現で、「~頂きますようお願い申し上げます」というのも誤りです。
どちらも、正しくは「~くださいますようお願い申し上げます」とすべきです。
【╳】ご覧頂けますようお願い申し上げます
【╳】ご覧頂きますようお願い申し上げます
【○】ご覧くださいますようお願い申し上げます
公共の施設などでも、こうした誤った日本語が平気で使われてしまっています。
ま、私もふと気を抜くとやってしまうんですけどね。
それでも、こういうことを意識することは大切だと思うのです。
みんなで意識を高めて、美しく、正しい日本語を使うように心懸けてみませんか?
<おしまい>
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