このテーマもだいぶ引っ張ってしまいましたが、もはや引っ込みがつかなくなってきてしまったので、続き、行きます(笑)

「日本語」における自動詞と他動詞の区別はだいたいお分かり頂けたのではないかと思います。

日本語では、「動詞の形」を見て、「目的語をつけることが可能かどうか」を判断し、そのことから「自動詞と他動詞」のどちらかを判断することができる、ということでした。

例えば、
「変える」ならば「目的語をつけて言うことが可能だから他動詞」で、
「変わる」ならば「目的語をつけて言うことが不可能だから自動詞」、という具合です。

「変える」と「変わる」は、見た目の「形」そのものが異なっています。

この「形」を見ることで、日本語では自動詞か他動詞かを判断することができるのです。

ところが、英語の文法では、「動詞の形」から自動詞か他動詞かを判断することはできません。

例えば「sleep」は、中途半端に英語を学んだ人なら「自動詞でしょ」と答えるかもしれません。

ところが、そうでもないのです。

英語では、動詞の「形」ではなく、「文中での働き」を見てみないことには、それが自動詞なのか他動詞なのかは判断できないのです。

「文中での働き」。

つまり、「動詞を実際の文の中に入れて、働かせてみる」ということをしてみないと分からないということです。

「sleep」という動詞を使って、実際に文を作ってみましょう。

例1: I usually sleep for 7 hours.
  「私はたいてい7時間眠ります。」

この文では、「sleep」という動詞は目的語を「持っていない」と言えます。

目的語を「持っていない」ということから、この文における「sleep」は「自動詞」であると判断されます。

では次の例文はどうでしょう?

例2: The guest room can sleep five people.
  「そのゲストルームは5人を泊めることができる。」

この文では、「sleep」という動詞が、「five people」という目的語を「持っている」と言えます。

目的語を持っているのですから、この文での「sleep」は他動詞だ、ということになるのです。

動詞の形を見るだけだと、どちらも「sleep」という形をしています。

しかし、形は同じでも、「文での働き」が異なります。

つまり英語では、「形」で判断するのではなく、「実際の文の中での働き」を見た上で、その動詞が自動詞か他動詞かを判断するのです。

そして、たいていの英語の動詞は「自動詞」としても機能するし、「他動詞」としても機能するのです。

もちろん、中には「自動詞としてしか機能しない動詞」や「他動詞としてしか機能しない動詞」などもあります。

ですが、その数はあまり多くはありません。
実際は、自動詞と他動詞の両方として使うことができる動詞の方が多いのです。

そして、それを見分けるためには、面倒くさいのですが、辞書でいちいち、一つ一つの動詞を確認していく必要があります。

例えば、「sleep」を辞書で調べてみると、まず「自動詞」の働きとなる場合の意味がザッと載っています。

ところが、その先に目をやると、「他動詞」の働きとなる場合の意味も載っているのです。

辞書の中で、「自動詞」の方が先に書かれていて、かつ、「自動詞」の方が分量が多いのだとしたら、その動詞は「主に自動詞として機能する」ということになります。

逆に、辞書を引いてみて、先に「他動詞」の方が書かれていて、かつ分量も「他動詞」の方が多いのだとしたら、その動詞は「主に他動詞として機能する」ということになるのです。

例えば、日本語だと「変える」と「変わる」は形が異なるので、辞書の中では「別々の単語」として扱われています。

しかし「変える」も「変わる」も、英語では「change」という1つの動詞で表現できます。

「change」を辞書で調べると、おそらく、たいていの辞書は先に他動詞の用法として「変える」の意味の例を記載し、後ろの方で自動詞の用法として「変わる」の意味の例を記載しているものと思われます。

つまり、「change」という動詞は、自動詞と他動詞のどちらにもなり得るが、「主に他動詞」として機能する動詞である、ということになります。

以上をまとめると、「日本語」の場合は、動詞の「形」を見て、それが「目的語をつけて言うことが可能」な場合は他動詞、「目的語をつけて言うことが不可能」な場合は自動詞、というように区別します。

一方、「英語」の場合は、動詞の「形」では判断できないので、「実際に文」を見てみて、その文の中で「目的語を持っている場合」は他動詞で、「目的語を持っていない場合」は自動詞、というように、動詞の「働き」で区別するのです。

ほとんどの英語の動詞は、「自動詞」と「他動詞」のどちらにもなり得るので、その都度辞書で確認する必要がある、ということです。

「形」で判断する日本語と、「働き」で判断する英語。

よ~く理解しておきましょう!

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