先日書いた記事「インプットが先か、アウトプットが先か」について、自分で書いておきながら、ここのところ、ついつい考えてしまっている自分がいます。

「後でこんな風にアウトプットしよう」と頭の中で思ってからインプットを始めた方が、同じ時間でも「質の良いインプット」ができるようになります。

「アウトプットする」というのは、例えば、次のようなことです。

 ・モノを作る

 ・サービスの形を作る

 ・料理を作る

 ・本を書く、詩を書く、歌を書く(文字媒体で書き記す)

 ・ウェブサイトを作る、ブログを立ち上げる、メルマガを配信する

 ・イベントやセミナーなどを企画する

 ・仲間を集めてチームにまとめる、コミュニティーやサークルを作る

 ・会社を作る、ビジネスを立ち上げる

 ・自分の考えや知識や経験を人に伝える

 ・次世代の人材を育成する

 ・子を産み、育てる

他にもまだまだあることでしょう。

例えば「人に何かを教える」ということもまたアウトプットの1つと言えます。

人に何かを教えるためには、当然のことながら、そのことについて、まず自分自身がインプットしていなければなりません。

私(久末)が初めてお金をもらって人に教えるということをしたのは、私が大学生の時でした。

当時の私は、高校時代にアメリカに行っていたということと、大学受験で英語をかなり勉強していたことでいい気になって、「中学生くらいの英語なら簡単だ」と思っていました。

そう思って始めた家庭教師の仕事で、いざ生徒に英文法の説明をしようとした時、私は「あれ?これはよく考えたら、どういうことだろう?」と詰まってしまったことがありました。

中学生くらいの英語なら簡単だと思っていたことでも、いざ人に教えるとなると、意外にきちんと理解できていなかったのです。

どんなことでも、「アウトプットを実際にしてみる」までは、自分の中に「何が足りないのか」が本当には分からないものかもしれません。

もしも「インプットが完全になってからアウトプットしよう」と思っている人がいたとしたら、考え方を改めるべきです。

なぜなら、「アウトプットをしないうちは、インプットが完全になることはない」からです。

私は、家庭教師の仕事をしながら、生徒の前で「やばい、これは自分でもよく分かっていない」という冷や汗を何度もかきました。

しかし、その場をなんとかやり過ごすにしても、家に帰ってから、それはもう、一生懸命勉強しました。

「次回の授業の時にはきちんと説明できるようになっていなくてはならない。」

こういう思いがあったからこそ、私は一生懸命勉強して、知識と理解をインプットすることができたのです。

「人に説明する(アウトプットする)」ということを後でやるつもりがなかったとしたら、たぶん、文法書を開いて自ら勉強したりはしなかったでしょう。

そういうエネルギーは沸いてこなかったことでしょう。

「アウトプットをしよう」と思えばこそ、そう思わない時には絶対に生まれないようなエネルギーを生み出すことができるのです。

私の場合ならば、「人に教える(アウトプットする)」→「足りない所に気がついて勉強する(インプットする)」→「人に教える(アウトプットする)」ということを延々と繰り返してきたように思います。

要するに、人に教える人が一番勉強することになるわけです。

このことは英語の勉強に限らず、他のどんなアウトプットにも言えることです。

アウトプットをしよう、ということを頭の中で予め想像しておくだけで、インプットする際の物事の観察の仕方が違ってきます。

そして、インプットを十分やった後で、アウトプットを実際に試みようとして、その時に「ああ、これだけのインプットでは不十分だ」と気づくのです。

そして、「不十分だ」と思うよりも「アウトプットを完成させたい」と望む気持ちが勝った時に、人はその不足分を得ようと「エネルギー」を自家発電していくわけです。

これを「人生」というものに置き換えてみたらどうでしょう?

「アウトプットをしよう」と思うことが多い人ほど「自分に何が足りないのか」に気づくことが多いでしょう。

そして実際にアウトプットをした数が多い人ほど、エネルギーを自家発電して「不足分を補おう(インプットしよう)」と努力することでしょう。

長い人生の間に、自分はいったいどれだけのモノをアウトプットできるのか?

何をアウトプットするのか?

どんな形でアウトプットするのか?

そういうことをたくさん考えていくことが、その人の人生を豊かにしてくれるのではないでしょうか。

何をアウトプットするのも自分の自由。

自分にしかアウトプットできないようなものが、きっとあるはず。

それを見つけて行くことは、幸せを探しに行くのと同じことのような気がします。

<おしまい>

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