英語を教えるという仕事をしていると、時々、自分の無力さを痛感することがあります。
発音を教える、文法を教える、英文の作り方を教える。
だけどそれは、「情報として伝える」というだけであって、本当に「身につける」というレベルにまで持って行くのは結局は学習者本人なわけです。
いくら教えても、学習者本人が「身につけよう」と思わなくては身につくはずがありません。
しかも、「繰り返しやって時間をかければ良い」という話でもありません。
時間をかけ、量をこなしても「できるようにならない」ということもあるのです。
そういう場合、「学習者本人の意識」に問題があります。
「何をどのように注意すれば良いか?」
「自分がやっていることは、外から見たらどのように見えるか?」
「今理解した内容は、具体的に、どのような事柄につながって考えていくことができるか?」
などのような「意識」があるなら、それは「量(時間)」に比例して上達していくことでしょう。
ところが、そういう「意識」がなければ、上達するはずの能力があっても上達しません。
人に何かを教えるには、「教えたい事柄だけ」を伝えれば良いのではないのですよね。
「自分で何かを学んでいく」という姿勢を学習者が持つために、教える側は何をすれば良いのか?
そういうことを考えることこそが「教える」ということなのかもしれません。
<おしまい>
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