英語を教えていると、自分の母国語である日本語をよく知らずに使っているんだな、と思うことが多々あります。

たとえば、「とんでもない」という言葉。

これを「とんでもありません」とか「とんでもございません」というのは誤用だそうです。

「とんでも+ない」とか「とんでも+ある」ということではなく、
「とんでもない」という一つの形容詞なのだそうです。

「とんでも」という言葉が独立して存在していて、それが「ない」とか「ある」とか言っているのではないのですね。

だから「とんでもありません」や「とんでもございません」というのは誤用、ということで納得です。

ところが、これと同じように、「申し訳ありません」や「申し訳ございません」も誤用だ、とする主張がネット上には見かけられます。

これには驚きました。

「申し訳ありません」や「申し訳ございません」も、本来は「申し訳ない」という一つの言葉だ、というのです。

でもでも、人に謝るときに「申し訳ない」なんて言ってしまうと、ずいぶん「上から目線」的な表現に聞こえますよね。

そう思ってさらに調べてみると、なんと「申し訳ない」は「申し訳」という独立した言葉が存在するのだから、「とんでもない」と同じように扱うべきではない、という記述を発見!

そうだそうだ、「申し訳ありません」とか「申し訳ございません」とか言えないと、丁寧に謝罪したい時に困ってしまうぞ、いいぞいいぞ、と思いながら読みました。

というわけで、私の中での結論。

「とんでもない」は「とんでもありません」や「とんでもございません」にしない方が良い。

「申し訳ない」は「申し訳ありません」や「申し訳ございません」としても良い。(というか、そうした方が良いことの方が多い。)

あと1つ、普段使っている日本語で「これは誤用!」って切り捨てられていて困っている表現があるのですが、それはまた今度!