今年の授業が今日から再開しました。

もう休みはおしまい、また新しい1年をがんばりましょっと♪

ところで、昨日、大学時代の友人に久しぶりに会いました。

彼はカウンセラーの仕事をしていて、こんなことを私に話してくれました。

人は、急に思い立って、何か新しいことに挑戦しようとしたり、あるいは自分を変えようと努力し始めたりすることがあります。

・ダイエットをしよう
・英語を勉強しよう
・新しい趣味を持とう
・時間の使い方がうまくなりたい
・物事を深く考えられるようになりたい

様々な願望によって、人は、このように思い立って「自分を変えよう」と努力します。

特に、新年のような「変化のきっかけ」がある時にはそのように思い立ってしまう人も多いことでしょう。

ですが、人でもモノでも、自然にあるものには「恒常性」というものがある、というのです。

「恒常性」とは、「変化を嫌う性質」のことです。

例えば、ダイエットをしようと思い立って、いきなり「毎朝30分走るぞ!」と始めようとしたとします。

実際に1日目、2日目とやれたとしても、3日目あたりから「しんどいな」と感じたりします。(もっと早くにそう感じる場合もあるでしょう。)

「しんどいな」と感じ始めるのは、今まで走るような生活を送っていなかった人が、急激に走るという生活を始めたことによって、自分自身の身体が「いつもと違うことをしている」という状況にたいして「異常事態」として反応してしまうからです。

カウンセラーの世界では、「しんどいな」とか「やめたいな」という気持ちになる理由を「恒常性の法則が働くからだ」と説明するらしいです。

普通、「しんどいな」とか「やめたいな」と思って、本当に三日坊主になってやめてしまった場合、たいていの人は「自分の弱さ」が原因だと考え、自分を責めてしまいます。

しかし、「しんどいな」とか「やめたいな」と思ってしまうことは「自分の弱さ」が原因なのではなく、「変化を嫌う恒常性の法則が働いたからだ」と考えれば、気分もだいぶ楽になります。

恒常性は「急激な変化」を嫌いますが、時間をかけ、少しずつ変わっていくものに対しては拒否反応を示しません。

新しい自分になりたくて、何かを始めた場合には、「恒常性というものが自分の行く手を阻んで邪魔してくるから、1ミリずつ進んで、少しずつ変えていこう」という心構えを持つのが良いとのことです。

そう考えると、教師としての私も、ついつい生徒には「急激な変化」を求めていたように思います。

生徒も「仕事で急に英語が必要だ」などの事情があるときには、どうしても結果を急いでしまいます。

ですが、人が変わっていくということは、頭の中の「脳」に何らかの変化が生じるということです。

脳にある神経細胞は、自分が新しいことを始めようとすると、神経細胞から「軸索(じくさく)」という触手を伸ばし始め、新しい回路を作り始めます。

軸索が新たに伸び、枝分かれし、別の神経細胞に接続し、シナプス結合を形成していくと、そこに電流が流れるようになります。

一度つながった回路に、再び同じように電流を流すことができるようになれば、そのことを「思い出す」ことができるようになり、つまりはこれが「学習した」こととなります。

神経細胞の本体部分の大きさは「直径3~18マイクロメートル」程度と言われています。(1マイクロメートルは0.001ミリメートル、つまり1ミリの千分の一の長さ。)

ここから伸びる軸索は、なんと「数ミリメートル」から「数十センチメートル」もあるそうです。

軸索が伸びるスピードはどれくらいだと思いますか?

若い人ほど軸索の伸びるスピードが速く、年をとるほど遅くなるらしいです。

たぶん、1日に1ミリも伸びないかもしれません。

でも、何か新しいことを始めて、違う自分に変わろうとすると、脳の細胞がきちんと反応して「軸索を伸ばそう」としてくれるはずです。

1ミリずつ、あるいはもっとゆっくり、軸索は人の「意識」に反応して伸びていきます。

軸索が伸びるスピードは、人が成長するスピード。

自分が何かを身につけたり、新しい自分に変わるためには、それなりの時間が必要だということですね。

これから何かを「学ぼう」とする人も、そして人に何かを「教えよう」とする人も、「1ミリずつ進もう」という思いを持って取り組んだ方が効果が得られるかもしれません。

今年は、私も生徒達に対し、また自分自身に対しても、「1ミリずつ進もう」という言葉を忘れずに取り組んでいこうと思います。

<おしまい>

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