年頃の中学生や高校生に英語を教えていると、「どうして勉強なんてしなくてはならないの?」と聞かれることがあります。
いざ誰かに質問されると、どう答えて良いものか、答えに窮してしまうこと、ありませんか?
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そもそも「勉強」というのは何でしょう?
この定義があやふやなままでは、「勉強することの意味」もぼやけてしまいそうです。
これは私の個人的な感覚ですが、「勉強」というのは、「知識」や「経験」を自分の中に入れること、だろうと思います。
つまり一言で言えば、「インプット」の行為です。
中学生や高校生にとって「勉強」という言葉が使われるのは、もっぱら「文字」を使ったインプットだと思いますが、勉強とは、何も「文字」に限った話ではありません。
自分よりも経験豊かな人の話を聞いたり、実際に何かを経験してみたり。
そういう「文字」を使わないインプット行為もまた勉強と言えます。
いずれにせよ、「知識」や「経験」をインプットしていくことが「勉強」であると定義づけるとしましょう。
では、本題に戻って、「勉強することの意味」とは何でしょうか?
「勉強することの意味って何ですか?」という質問は、つまりは「勉強することは、一体何につながるのですか?」という質問と同じです。
「勉強すること」が何につながるのか?
それは、「アウトプットを豊かにする」ということです。
勉強というのが「インプット」の行為だとしたならば、勉強によって得た豊富な「知識」や「経験」は、未来のおいて自分が「アウトプット」しようとするものを「豊か」にしてくれるのです。
つまり、一言で言うならば、「勉強をすれば、アウトプットが豊かになる」ということです。
逆に言うと、「勉強」をあまりやらなかったら、その分、「知識」や「経験」が少ないままということになり、引いては何かを「アウトプット」しようと思っても、それはあまり豊かなものにはならないということです。
「勉強」をすれば、アウトプットが「豊か」になる。
このことは、大人になれば誰もが実感することかもしれません。
どうして大人になると実感するかというと、大人になると「アウトプット」を求められる機会が増えるからです。
大人になって、何かをアウトプットしようとしたとします。
それは、「自分が理解していることを誰かに説明する」ということかもしれませんし、「目の前にある問題を解決するようなアイデアを出す」ということかもしれません。
他にもたくさんあることでしょう。
単に「知識」があって「経験」がある、というだけではなく、それらを使って、何かしらの形で外に出す(アウトプットする)ということが、社会に出れば当然求められてくるのです。
ところが、何かをアウトプットしようとした時に、それまでのインプット(=勉強)が不十分だと、満足のいくようなアウトプットができません。
そんな時、大人たちは、「ああ、もっとこれに関して勉強しておけば良かった」と悔やむのです。
私もそうやって悔やんだことが、何度も何度もあります。
大人たちが子供たちに「勉強しろ」と口うるさく言うのは、たいていは「目の前にいる子供」を「苦労している今の自分」と重ね合わせて見ているからだろうと思います。
とは言え、単なる「インプット」はつまらないものです。
つまらないから、子供たちは、たいてい「知識の詰め込み」を率先してやろうとは思いません。
しかし、「インプット」の先に「アウトプット」があり、そのアウトプットが「豊か」になっていくことを実感できれば、人はもっと一生懸命に「インプット」をやろうと思うかもしれません。
これを「英語」に置き換えると、次のようになります。
1. 「単語」の勉強はつまらないし、大変だ。
2. 「単語」を知らないままで、外国人と英語で話をしようとしたら、「単語」の知識が乏しいことを痛感した。
3. 次の時に、きちんと外国人と話ができるようになるために、「単語」を勉強しよう。
4. 「単語」をいくつか覚えた後で、また外国人と英語で話そうとしたら、今度は、前よりは上手に表現できるようになった。
5. またこれからのことを考えて、今から少しでも「単語」を覚えようかな。
これは「単語」だけではなく、例えば「文法の知識」や「発音のテクニック」などに置き換えて考えても構いません。
「勉強」というのは「インプット」であり、それは「アウトプットを豊かにするための材料」です。
「勉強するという行為」は「未来における豊かなインプット」につながっているのです。
「インプット」を率先してやるようにするには、「アウトプット」する時のことを強く意識してみましょう。
「アウトプット」を意識せずに、ひたすら「インプット」だけをやろうとしても、人間は思うように力が入りません。
「自分のアウトプットを豊かにしたい」という欲求こそが、「勉強」の原動力となるのだろうと思います。
<おしまい>