巷には「聞くだけで英語ができるようになる」といったうたい文句の商品やサービスがあるようです。
私も職業柄、「あれって本当ですか?」と聞かれることがよくあります。
本当に、「聞くだけで英語ができるようになる」だなんてあり得るのでしょうか?
私の答えは「ノー」です。
そんなことが、あるわけがないです。
<アメブロからの続きはここから>
人が何かを身につけていくには「インプット」の行為だけでは無理です。
必ず「アウトプット」を伴わなくてはなりません。
このブログをお読みのあなたも、今、自分に備わっている何かしらの能力があるとしたならば、それは過去に「インプットとアウトプット」の両方を繰り返した結果ではないでしょうか?
他人がやっていることをただ「見るだけ」や「聞くだけ」で、自分の身体に能力として身についていくなどということはあり得ません。
そんな事を言うと、
「母が料理をするのを毎日見ていたら、私も料理が上手にできるようになったよ!」
などと主張する人も出てくるかもしれません。
しかし、この人は「見ていただけ」で料理が上手になったのではありません。
必ず、「自分もマネして作ってみる」という行為をどこかでしたはずです。
そして、「マネして作ってみる」ということを初めてやった時、おそらく、「見ていたよりも難しい」と感じたはずです。
「見ていたよりも難しい」と感じ、そして、またお手本を見てみて、何が違うのかをよく観察したり、あるいはお母さんにコツなどを質問したりしたことでしょう。
そうやって、「インプット」と「アウトプット」を何度も繰り返していくうちに少しずつ料理が上達していったのです。
つまり、「見ていただけで料理ができるようになった」というわけではないのです。
あるいは、一流のピアニストが演奏するのを毎日見たり聞いたりしていたら、ある日突然、ピアノが弾けるようになるのでしょうか?
そんなことがあるわけがありません。
「インプット」するということはとても大切ですが、「インプットだけで身につくこと」などこの世にはありません。
これは英語も同じこと。
「聞くだけで英語ができるようになった」と自慢している人がいたとしたら、その人は、実は自分が「アウトプットもやっていた」という事実を見落としているだけなのです。
「アウトプットもやっていた」ということをすっかり忘れ、「本当に聞くだけでできるようになった!」と他人に言って回るのは本当に迷惑な話です。
インプットしたものをアウトプットしてみて、
そのアウトプットしたものを自分や他人が評価して、
その評価を受け止めて反省して、
反省を踏まえてまたインプットしてアウトプットする、
ということを延々と繰り返さない限り、人が何かを身につけていくことなどできません。
だから私は声を大にして言いたい。
「聞くだけで英語ができるようになる」という言葉をそのまま鵜呑みにしてはいけません!
もっと言えば、英語というものは「フレーズの記憶」によって会話が成立する場合もありますが、多くの場合はそれでは通用しません。
「単語」を地道に覚え、「文法」を地道に学習し、「英文を作る」という行為を地道に繰り返した人だけが、あらゆる場面で対応できる英語力を身につけていきます。
「楽」をして何かを身につけようとして、「楽な方法」を探してばかりいて、結局何も身につかないまま、いつの間にか時間だけが過ぎてしまった、というようなことはもう辞めましょう。
「聞くだけで英語ができるようになる」わけなどないのですから。
<おしまい>