日本テレビで放送されている「イッテQ」という番組の中で、「出川・はじめてのおつかい」という企画コーナーがあります。

昨日も放送されましたが、私はこのコーナーの大ファンなのです。

出川てっちゃんは本当にすごい!

いや、別に英語がすごいわけではありません。
ハッキリ言って、英語はひどいです。ひどすぎます!

だけど、それでも人とコミュニケーションを取ろうとする姿勢がすばらしい!

もちろん、ひどい英語を相手にぶつけてしまうと、結果的に「相手に負担を押しつける」ことになります。

そのため、時には相手を怒らせてしまうこともあるでしょう。

それでも、出川イングリッシュには、多くの日本人に欠けている「何か」があるような気がしてなりません。

 

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ご存じない方のために説明しますと、この企画では、タレントの出川哲朗さん(以下、出川てっちゃん)を外国に連れて行き、そこで「一人で○○をしなさい」というミッションを与えるというものです。

ミッションの内容は「タイムズスクエアでTシャツを買ってきなさい」というものだったり、「大英博物館で人気のアヒルを買ってきなさい」というものだったりと様々です。

番組スタッフの手助けは一切なく、日本人に話しかけるのもダメ。

自分だけの力で、道行く人達に話しかけ、情報を集め、ミッションを達成するのです

てっちゃんの英語力は、私から見てもほとんどゼロに近いような感じなのに、毎回、見事にミッションをクリアしていきます。

あまりにひどい英語なので、英語を少しでも知っている人ならば腹を抱えて笑ってしまいます!

視聴者の中には「ばかばかしい」とか「日本人の恥だ」などのように否定的に見ている人もいるようです。

しかし、「なんとか伝えよう」あるいは「なんとか理解しよう」という姿勢は超一流です。

もちろん、番組を成立させるための責任感もあるのかもしれませんし、芸人としてのプライドもあるのかもしれません。

そうだとしても、あれだけの「粘り」は普通の人にはなかなかありません。

「粘り」だけでなく、「積極的に話しかける姿勢」も尋常ではありません。

普通、外国人に一人だけで話しかけるという行為は、相当な「勇気」を要するものです。

ところが出川てっちゃんは、「間違い」や「失敗」などを恐れず、どんどん話しかけていきます。

話しかけられた人々も、時には怒り出すこともありますが、たいていは親切に答えてくれたり、笑顔で返してくれたりします。

ヘタでもいいから、とにかく積極的に話しかけてみる。
間違いや失敗を恐れず、どんどん話しかけてみる。

彼の姿を見ていると、もしかしたら日本人が学ばなくてはならないのは、英語の発音や文法や単語などではなく、そういった「積極的な姿勢」なのではないだろうか、とさえ思えてきます。

もちろん「発音」や「文法」や「単語」の学習はとても大事です。

ですが、その前に「なんとか伝えよう」「なんとか理解しよう」という姿勢がなければ、せっかく学習した「発音」も「文法」も「単語」も役に立ちません。

 

出川イングリッシュを見ていると、まるで「国際会議でのディスカッション」を見ているような感覚に陥ります。

国際会議のセッションで、発表者と聴講者が「質疑応答」のやり取りをしている場面です。

発表者と聴講者のどちらにとっても、「英語は母国語ではない」というケースはよくあります。

お互い、母国語ではない英語を使い、「なんとか伝えよう」あるいは「なんとか理解しよう」という思いを持って意思疎通を試みます。

お互い「前傾姿勢」になって、お互いに対して、必死で耳を傾けます。

そうやって、英語がヘタでも、自分の考えを相手に伝え、また相手の考えを自分の理解にしていくのです。

世界では、研究者や技術者たちが、そういう意志をもって英語でコミュニケーションを図っています。

「なんとか伝えよう」「なんとか理解しよう」といった姿勢の上に、「発音」や「文法」や「単語」といったものが乗っかっていけば、さらにコミュニケーションはスムーズになることでしょう。

 

出川イングリッシュは、そういう意味で、世界の研究者や技術者たちがやっていることに似た部分があります。

彼の英語は「発音」や「文法」や「単語」という点ではほとんどゼロと言えますが、相手との意思疎通に対する「姿勢」だけは多くの日本人にとっての良いお手本になるように思います。

出川イングリッシュ、素直に感心してしまいます!

 

<おしまい>