英語を勉強している人ならば、何度となく聞いたことがあることでしょう。
「someは、疑問文や否定文ではanyに変わる」という説明です。
これを聞いて、「ああ、そうなんだ」と素直に覚えようと思っている人も多いはず。
しかし、「どうしてそうなるの?」ということをきちんと理解している人はどれだけいるでしょうか?
学生のみならず、中学や高校で英語を教えている教員ですら、その理由をきちんと分かっていない人もいるようです。
なぜ、「some」は、疑問文や否定文では「any」に変わるのでしょうか?
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まず、「some」には「some」なりの意味があり、「any」には「any」なりの意味がある、ということをきちんと把握することが大事です。
「some」というのは、「全体の中の一部」を表しながら、それに関する「漠然とした存在」を表す場合に使われる言葉です。
「some」自体に「存在」の意味合いがあるのですから、基本的に、「some」は「肯定文」で使われるということになります。
しかし、「存在」をほのめかしながら「疑問文」で「some」を使うこともできます。
例えば、「Would like some coffee?」という文。
ここでの「some」は、「漠然とした存在」を表し、「いくらかの量のコーヒー」というような意味で使われていますが、文自体は「疑問文」となっています。
このように「勧誘」や「依頼」などを表す文では、「some」が「漠然とした存在」を示した上で、それについて相手に「〜はいかがですか?」と尋ねることができます。
また、「some」は「全体の中の一部」という意味もありますので、これを使った「否定文」も可能です。
例えば、「Some of us did not understand what happened.」という文。
この文での「some」は、「全体の中の一部」を表し、「我々の中の何人か」という意味で使われていますが、文全体は「否定文」となっています。
つまり、「私達の一部には、何が起きたのかを理解しなかった者がいる」ということを表しているのです。
とは言え、「some」が使われるのは、やはり「肯定文」が多いと言えますので、こうした疑問文や否定文の例というのは少数派として理解しておくのが良いでしょう。
「some」という言葉自体に「全体の中の一部」を表しながら「漠然とした存在」を表す、ということを意味がある、ということを理解しておくことが、まずはとても大事なのです。
では、「any」はどのような場合に使われるのでしょうか?
「any」には「いくつか」といった数量的な意味合いはほとんどありません。
「some」が「いくつか」という日本語になるからと言って、「any」もそうなるわけではないのです。
「any」の基本的な意味は「有無」です。
「あるのか、ないのか、どっち?」ということを表現する場合に「any」が使われるのです。
「有無」を尋ねるわけですから、基本的には「any」は「疑問文」で使われます。
そして、「any」が「否定文」で使われる時には、「有無」のうちの「無」を表すことになりますので、「全く〜ない」という完全否定の意味となります。
では、「any」は肯定文では使われないのかというと、そうとも言えません。
「any」が表す「有無」のうち、「有」ということを表したい場合には、肯定文でも「any」が使われます。
肯定文における「any」は、「有るか無いかで言えば、有る」ということになり、つまりは「有りさえすれば何でも良い」という意味になるのです。
例えば、「You can pick any color from the list.」という文の場合、「any」は「どんな〜でも」という意味を表します。
「有れば良い」ということなのですから、「どれでも良い」という意味になるわけです。
このように、「some」と「any」では、それぞれ意味が異なります。
決して、「肯定文だからsomeを使い、疑問文や否定文だからanyを使う」というルールではないのです。
ところが、中学校や高校では、あたかもそれが決まりであるかのように、なんの理由も説明せずにそのように教えてしまいます。
そうすると、「Do you need some money?」という英文がダメで、「Do you need any money?」とするのが正解、という事になってしまうのですが、実は「Do you need some money?」がむしろ自然な英文となるケースの方が多いのです。
「some」と「any」に関しては、機械的に「肯定文だから」とか「疑問文・否定文だから」というようにルールを決めるのではなく、それぞれの言葉の本来の意味をきちんを理解しておくようにしましょう。
本校では、1つ1つの言葉の意味をきちんと理解するように文法や単語を学んでいきます。
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