私(久末)は昨日と一昨日、富山に行ってきました。

8月2日(水)には、「電磁波」に関する一般の市民向け公開講座があり、私もそれに出席しました。

講演をしてくださったのは世界でも活躍されている電波や光の研究者達でした。

内容は、市民向けの講座とは言え、やはり専門的な話となりました。

講演者の方々は、なるべく難しいことばを使わずに説明しようとしてくださっているようでしたが、それでも、やはり素人には理解しづらい言葉がいくつも出てきました。

そういう難しい話を聞いているとき、人は「想像力」というものを使い、意味が分からない部分を補う必要があります。

 

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講演を聞いている人の中には「中学生」や「高校生」もいました。

大人にとっても難しいのですから、彼らにとっても「難しくてわからない」と思われる言葉がきっとたくさんあったはずです。

難しくてわからない言葉が何度も出てくるような話を聞いていると、人はたいてい「眠く」なりますね(笑)

ところが、眠くならない人もいます。

昨日の講演でも、眠らずにじっと聞き入っていた中学生がいました。

そういう人は、難しいことばをすべて理解しているのでしょうか?

そうかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

難しくて理解できない言葉がたくさん出てきた時、人は「眠りにおちる」だけでなく、「想像力で分からない部分を埋める」ということもできます。

「想像力で分からない部分を埋める」という作業は、実は、「外国語を習得しよう」とする際にもとても重要な作業となります。

 

高校時代に私がアメリカに留学していた時もそうでした。

目の前のアメリカ人が、私に向かって一生懸命、何かを話しています。

でも、私は話されている単語のほとんどを理解することができません。

私に向かって直接話しかけられているわけですから、眠りに落ちるわけにもいきません。

そこで私は、「想像力」を駆使しながら、なんとか理解を「つないで」いかなくてはなりませんでした。

もちろん、1つ1つの言葉について「それどういう意味?」と尋ねることもできます。

しかし、分からない言葉をいちいち尋ねていては、会話が進みません。

分からないままだと本当に困る場合には尋ねなくてはなりませんが、ある程度「想像力」で補える部分については想像力で補った方が良いこともあります。

こうした「想像力」というものは、「分からないことをすぐに調べて答えを知る」ということだけをやっていてはなかなか身につきません。

「分からないけれど、想像力でなんとか間をつないでみよう」という意志があってはじめて、「想像力」というものが鍛えられていくのです。

そして、「想像力」を使って話と話の間を「つなぐ」ことが上手になってくると、その想像というものが意外に「当たる」ようになります。

想像力は想像力でも、前後の話の流れを「根拠」にしながら想像するので、そのうち、当たる確率が高くなっていくのです。

このような「想像力」は、言語習得の際に大いに役に立ちます。

人は誰でも、「母国語」を身につけていく過程で「想像力」をふんだんに使ってきたはずです。

そして、「想像力」では補いきれない部分を、「勉強」という形で埋めてきたのではないでしょうか。

つまり、「想像力+勉強」ということを繰り返しながら、私達は母国語を身につけてきたわけです。

 

このことは、言語習得に限った話ではありません。

一般的な「勉強」であっても、「想像力」というものは大変役にたちます。

ところが、学生の多くは、「勉強」を「勉強だけ」で進めてしまいます。

「わからないこと」に出くわすと、すぐに「答え」を調べようとしてしまいます。

その結果、「想像力」が鍛えられず、「分からないことは、答えが得られなければ分からないまま」となっている人が、たくさんいます。

そういう人は、難しい話を聞いていると、すぐに「眠り」に落ちてしまうことでしょう。

しかし、日頃から「想像力」をふんだんに使っている人は違います。

「想像力」を使って、難しい話を聞きながらも、「分からない部分」を埋めるようにしながら話を理解しようとします。

きっと、昨日の講演を眠らずに聞いていた中学生や高校生も同じだったのではないでしょうか。

 

是非、普段の学習の中にも「想像力」を取り入れてみませんか。

「分からないことはすぐに答えを調べる」のではなく、少し「想像」してみてから答えを調べてみるのです。

そのうち、「分からない言葉」が出てきたとしても、眠り落ちることなく、理解の溝を埋めていくことができるようになるかもしれません。