昔は、「英語を学び始めるのは中学校に入ってから」というのが当たり前でした。
しかし、今では、「小学生」のうちから、あるいは「幼稚園」のうちから、はたまた「幼稚園に入る前」からでも、子供に英語を学ばせようとする親がたくさんいます。
私(久末)も職業柄、色々な人に「いつから英語を学ばせれば良いの?」という質問を受けます。
英語を始める年齢が小さければ小さいほど良いのではないか、と思う人がたくさんいるようですが、私の答えは少し違います。
これはあくまでも私個人の考えですが、英語を始める最良なタイミングは、「小学5年生の後半」です。
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よく、「脳の発達」の話を引き合いにして、「幼少期(小学校に上がる前)」から英語を学ばせるべきだと主張する人がいます。
「脳の発達」という観点で言って、「3歳までに始めるのが良い」という理屈です。
しかしこれは、「脳の発達」にしか焦点を当てていない考え方であり、それ以外のいくつもの「要素」というものを完全に無視した考え方だと思います。
人が何かを学ぶ上で、「脳の発達」はもちろん大事なことですが、それだけが大事なのだとしたら、大人になってから何かを学ぶということにはデメリットしかないことになってしまいます。
発音にしても、英語的な感覚にしても、大丈夫、大人になってからでも十分に身につけていくことは可能です。
「脳の発達が3歳頃までに完成してしまうので、それを過ぎたらアウト!」のような「あおり」を真に受けて早々に子供に英語を習わせたものの、中学校に入った時には何も残っていなかった、という事例はたくさんあります。
中学校に入る頃に「何も残っていない」ならまだしも、「一度英語をやり始めたものの、途中で嫌になってやめてしまった」というケースにおいては、中学校に入った時点で既に「英語が嫌い」という最悪の事態になってしまうこともあります。
子供にも「自我」というものが芽生えてきます。
特に、小学校高学年に近づくほど、自分自身の「意志」というものを持ち、主張するようになります。
英語を「子供の遊び」のような感覚で習い始めたとして、最初はそれで楽しかったとしても、どこかのタイミングで「勉強」の要素を取り入れていかなくてはなりません。
「遊びの英語」は大好きだったけれど、「勉強の英語」は嫌いだ、というのは、子供の心理としてごく自然だろうと思います。
中学校に入ったら、「遊びの英語」では対応できませんので、いつかは「英語の勉強」というものを受け入れなくてはならなくなります。
それを受け入れることができるのもまた、自分自身の「意志」を持つことが少しずつできるようになってくる小学校高学年だろうと思います。
私が思う「英語学習を始めるベストのタイミング」は「小学校5年生の後半」です。
それぐらいの時期であれば、「勉強としての英語」というものをやってみたいかどうか、子供本人に聞いてみても良いだろうと思います。
そして、仮にそのタイミングで「勉強としての英語」を始めたとしても、中学校に入るまでは割とあっという間に時間が過ぎますので、「途中でやめる」という最悪の事態を避けることが比較的できます。(絶対に、とは言いませんが。)
さらに、小学校5年生にもなれば、「ローマ字」というものをある程度知った状態で英語に入ることができます。
仮にローマ字をすっかり忘れていたとしても、中学校に上がる前に復習する時間も十分にあります。
6年生の3学期から始めた場合は、まずは「ローマ字の復習」をしなくてはならず、結果的に、中学校に入るまでにあまり時間はありません。
もちろん、全然やらないよりはマシですが、それでも中学校の英語を先取りで学んでいくに時間的に十分とは言えません。
その点、5年生の後半から始めれば、ローマ字の復習は当然終えられますし、中学校の英語をかなりの程度まで先取りで学んでいくことができます。
小学校4年生、あるいはそれより前だと、英語学習の時間はたっぷり取れますが、そもそも「英語としての勉強」を受け入れていくことも難しくなり、ひいては中学校に入る前に「途中でやめてしまう」というリスクも高まります。
というわけで、今はもう1月に入ってしまいましたが、現在、小学5年生(4月から6年生)の人は、今ぐらいが英語学習を始めるベストタイミングです。
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