何かを覚えようとしても時間がかかってしまう場合、そこにはいくつもの原因が考えられます。

しかし、割と多くのケースに共通しているのではないかと感じられる原因は、「考える」というこをとしていない、ということです。

「考える」ということをせず、「ただ覚える」ということだけを繰り返すのに比べ、「考えながら覚える」あるいは「考えてから覚える」ということを行った方が遥かに効率よく覚えることができます。

例えば、英単語を覚えようとした場合。

「teacher」というスペルを覚えたはずなのに、書いてみたら「techr」となってしまったとしましょう。

中1のはじめの頃には、このような間違いをする人は結構たくさんいます。

ところが、中2になっても、あるいは中3になってもこのパターンの間違いを繰り返す人は、おそらく、「スペル」の中に潜んでいる「法則」を見つけていないのです。

単語のスペルには「法則」があります。

日本語のローマ字に通じる法則もありますし、ローマ字とは違うけれど英語ならではの法則もあります。

「文字(スペル)」と「発音」に関する法則や、「品詞」ごとによる法則もあります。

最初は「単なる記憶」によって覚えていく必要があるかもしれませんが、「考える」ということを実践している人は、少しずつ、単語のスペルの中にある「法則」に気がついていきます。

「法則」に気がつけば、これから新しく覚えようとする単語のスペルの中にも同じような法則があるのではないか、ということを考えながらスペルを覚えることができるようになります。

例えば、「teacher」の中にある「ea」というスペルは、発音としては「イー」となることが多い、という法則を発見した人は、他の単語にもそれを当てはめて覚えることができます。

あるいは、「teach」は「動詞」であり、その後ろに「er」がつくと「〜する人」という意味になる、という法則を発見した人は、他の単語にもそれを応用させることができます。

ところが、「考える」ということを一切しないでいると、いつまでもそういう「法則」に気がつきません。

法則が見えれば簡単に覚えられるのに、法則を見いだそうとせずに覚えようとするものですから、とても時間がかかってしまうのです。

長い時間がかかるだけならまだしも、「ちょっと考えてみれば、とてもおかしいと思えるようなへんてこな答え」に行き着いてしまうこともあります。

頭の使い方には「覚える」と「覚える」の2つがあるはずです。

賢い人は、「覚えるだけ」ということはせず、しっかり「考える」ということをした上で覚えようとします。

「考える」という要素を取り入れれると、「覚える」ことが楽になり、時間が短縮されることも期待できます。

「ただ覚えよう」として長い時間がかかってしまっている人は、是非「考える」ということを取り入れてみてはいかがでしょうか。