発音が苦手だ、という人には、(絶対そうだとは言いませんが)どうやら以下のような共通点があるようです。

1. 「スペル」と「発音記号」と「音」の関係をよく理解していない。
2. 自分が出している音を、自分自身の耳でよく聞いていない。
3. 音の出し方が丁寧ではない。
4. 練習時間が少なく、繰り返す回数も少ない。

他にもありますが、とりあえずこの4つは代表的なものと言えると思います。

まず1番目について。

英語では、「スペル」というものが必ずしも「音」を表しているとは限りません。

「a」という文字ならば、「エイ」と発音されることもあれば、「ア」のように発音されることもあれば、「オー」のように発音されることもあります。

同じ文字でありながら、複数の音として発音されることがあるのです。

英語の発音をきちんと身につけて行くためには、「スペル」と「発音記号」と「実際の音」の三者のつながりを理解しなくてはなりません。

これを理解することが、正しい発音を身につけて行くための第一歩と言えます。

ところが、これを理解したとしても、まだ「発音が苦手だ」というケースがあります。

それは上記の2番目と3番目のポイントです。

2番目について言えば、「自分の音を自分の耳で聞く」ということがとても重要です。

音を出すと同時に「その音を自分の耳で聞く」ということをやらなくては、正しい音を出すことができません。

それどころか、「自分の音が正しいかどうかも分からない」という状況になりがちです。

発音の上達が早い人、発音が得意だという人は、たいてい「自分の音を自分の耳で聞く」ということをしっかりとやっているものです。

これを無意識にやれる人は問題ありませんが、無意識にやれない人は、そのことを「意識して」取り組んでいくしかありません。

そして、3番目のポイントとして、そもそも「音の出し方が丁寧でない」ということも問題点の1つです。

要するに音の出し方が「大ざっぱ」だったり「雑(ざつ)」だったりするわけです。

これはその人の「性格」にも関係があるように思われます。

普段から、物事を大ざっぱに扱ったり、雑に扱ったりしている人、あるいは「せっかち」な性格な人は、発音の際の音の出し方も大ざっぱで雑になりがちです。

英語の発音を身につけようとする際は、まずは「丁寧に、正しく」出すように意識することがとても重要です。

そして、1〜3のポイントを押さえることができたなら、今度は4番目のポイントです。

つまり、「何度も何度も繰り返す」ということが重要だということです。

1つの発音がうまくいかないとしたなら、それを何度も何度も繰り返さなくては上達しません。

1〜2回だけ発音し、すぐに終えてしまっているうちは、発音が上達することはありません。

何十回、何百回と繰り返し、しかも1日だけでなく、何日も何週間も繰り返す、という「しつこさ」が必要ですが、そのしつこさがない人もまた、「いつまでも発音が苦手だ」と言い続けてしまいます。

逆に言えば、上記の4つのポイントを全てクリアしていけば、自然と発音は良くなっていくものです。

耳さえ聞こえるならば、誰でも「母国語」の発音を身につけたはずですから、外国語の発音だって身につくはずです。人間に出せない音を出せ、と言っているわけではないのですから。

発音に関する理屈を勉強し、自分が発する音を良く聞き、音を出すときは思い切り慎重になり、そして根気よく繰り返し練習する。

発音というものは、そうした地道な努力の末に上達し、身についていくものだろうと思います。