前回の続き>
前回、英語学習には「音声学習」と「文法学習」の2つに分けることが出来ると書きました。
そして、まず先にやるべきは「音を入れること」だとも書きました。
それはなぜでしょうか。
英語に限らず、どんな言語にも「法則」というものがあります。
そして、その法則は、誰もが「意識的に知っているもの」とは限りません。
母国語に関して言えば、「意識的に知っている」わけではないのに、きちんと正しい法則で話したり書いたりすることができます。
私達日本人ならば、日本語の法則を「意識」で知らなくても、「無意識」に言葉を使い分けたりしています。
例えば、「サッカーで5点先取した」という場合の「5点」は「ごてん」と発音しますが、「5.5」という小数の場合には「ごーてんご」のように発音します。なぜ、小数の場合は「ごー」というように伸ばすのか、意識的に法則を知っている人は少ないでしょう。
「文字と音」に関する法則だけでなく、「文の構造」に関する法則も、「単語の変化の仕方」に関する法則も、全て「その言語の音の世界」に含まれているのです。
一方、「文法」というものは、数多くある言語の法則の中で、「先人達が気づいたものだけ」をまとめたものです。
つまり、「文法」というもの自体が、人為的に作り出されたものであるため、完全なものとはなり得ないのです。
しかし「音」を使った学習は違います。
学習しようとする言語の「音」を大量にインプットし、大量にアウトプットしていくと、その過程で、先人達がまとめてくれた「文法」すらも含んで、その言語の他の全ての「法則」に触れることができるのです。
文法のみを過信し、音を使った学習を全くしなければ、おそらく、「理屈では成立し得る文」を作ることはできても、「ネイティブが聞いて自然と思える文」かどうかを判別することは難しいでしょう。
ところが、音を使った学習をたっぷりと行っていくと、不思議と、「文法」で習ったわけではないのに、いつの間にか「なんとなく自然な英文」を作れるようになったりします。
これは、「音」の中にこそ、その言語の法則の「全て」が含まれているからです。
もちろん、「音」だけで十分というわけではありません。
が、今日はここまで!
続きはまた次回で。
続く