<前回の続き>
発音など「自分をコントロールする」という術を身につけようとする場合、「自分を客観視する」ということがとても重要です。
もちろん、「量」も重要です。
でも「量だけ」ではダメです。
必要なのは、自分を客観視しようとする「意識」です。
「量」という言葉を、ここでは「練習」という言葉に置き換えてみましょう。
また「客観視すること」をここでは「意識」と置き換えてみます。
何も考えずにただ「練習」するだけでは成長しない場合があります。
ところが、「練習」に「意識」を掛け合わせると、とたんに成長していくということがあります。
つまり、
「意識」 × 「練習」 = 「成長」
という方程式が成り立つように思われます。
これは「かけ算」ですから、「片方がゼロ」だとしたら、成長もまた「ゼロ」になってしまうのです。
「練習」というのは、次のようなことと言えます。
1. こつこつ真面目に繰り返す。
2. 愚直に継続する。
3. 時間をかけ、量をこなす。
つまり「練習」というのは、頭を使うというよりは、むしろ「精神力」や「根性」といったものによって行われるものと言えます。
仮に、「練習をしても上手くならない」と苦しんでいる人が次のように考えてしまったらどうでしょう。
「自分が成長していかないのは、練習が足りないからだ。」
そう考えてしまう人は、意外に多いかもしれません。
しかし、そう考えてしまったが最後、この人は、意識がゼロのまま、さらに練習の量を増やし続けてしまいます。
いくら練習の量を増やしたとしても「意識がゼロ」のままなのだとしたら、おそらく、いつまでも「成長もゼロのまま」でしょう。
そのままでは、とても悲しい結末が待っていると言えそうです。
練習の量が十分なのに成長しない場合は「意識を高めよう」としなくてはなりません。
「意識を高める」というのは、具体的には、次のようなことです。
1. 自分の弱点や課題に「自分で」気づく。
2. 客観的に自分を観察する。(自分を客観視する。)
3. 向上心を持ち、具体的な目標を持つ。
このことは、「成長する」ということが上手な人は、もしかしたら何も「意識せず」にやっているかもしれません。
そういう人は、「自然」に、あるいは「無意識」に上記の事柄を意識できているのです。(「無意識に意識する」というのは変な表現ですが、まあ、さておき。)
そして、そういう成長上手な人は、なかなか成長しない人に次のようにアドバイスしてしまうことがあります。
「とにかく、たくさん練習しなきゃダメだよ。」
確かに、当の本人は「たくさんの練習」をこなしたからできるようになったと思っているのでしょうが、そうではありません。
「成長した」ということは、「意識×練習」の両方の条件を満たしていたということです。
仮に、自分にその自覚が無かったとしても、「自分を客観視する」という意識があったからこそ成長することができたはずなのです。
上手に成長した人が、「とにかく練習をたくさんしなさい」とアドバイスしてきたからと言って、それを鵜呑みにしてはいけません。そのようなアドバイスは「両輪のうちの片方だけ」として受け取るべきです。
「意識」を高めるということは、「自分を客観視する」ということ。
練習という名の努力を無駄にしないためにも、「自分を客観視する」という技を身につける努力をしてみましょう。
<続く>
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