<前回の続き>
前回まで、英文法を学んでいく上で大事ことを「2つ」挙げました。
1. 文法書に書かれた説明を読んで、具体的な例を挙げる。
(=具体化する)
2. 具体的な例を挙げて(あるいは見て)、話をまとめる。
(=抽象化する)
このようなことをしながら「理解する」ということが大切なのだ、という話でしたね。
さて、一度理解をした英文法でも、今度はその理解を「さらに深めていく」ということをしなくてはなりません。
英語に限らず、自分が身につけたいことを「深めていく」には、方法は1つしかありません。
それは「何度も繰り返す」ということです。
スポーツでも楽器演奏でもなんでも同じ。
「何度も繰り返す」ということをした人だけが、自分の中に「深く刻んでいく」ということができるのです。
英文法の学習も同じで、一回は理解した、だけど時間が経ったら忘れてしまった、ということは十分にあり得ます。
人には「忘れる」という機能が備わっていて、この機能があるからこそ前に進んでいくことができるのです。
逆に言えば、「忘れる」ことができないとしたら、おそらく先に進んでいけないという状況になってしまう可能性があるということです。
過去の出来事をいつまでも引きずっていては、先に進むどころか、ずっとそこで立ち往生してしまいます。
だから「忘れる」というのは、とても大事な脳の機能だと言えます。
しかし「忘れたいわけではなく、覚えたいのだ」という場合もあるでしょう。
それならば「繰り返す」しかありません。
「文法書を読む」
↓
「具体例を自分でつくる」
↓
「具体例から抽象的な説明を自分でする」
↓
「文法書を読んで、自分がした説明と比べてみる」
ということを何度も何度も繰り返していくと、最初は「1回だけの理解」だったものが、だんだん「深く残る理解」へと変わっていくのです。
さて、文法を理解していく上で、もう1つ、大事なことがありました。
それは「文法用語を覚える」ということです。
「文法用語」っていうのは、たいてい聞き慣れないし、そもそも難しいし、なんだか覚えるのが面倒、という人も多いかもしれませんね。
英文法を学んでいると、「従位節」「過去分詞」「関係詞」「叙述用法」「形容詞節を導く」「修飾する」など、そもそも何のことなのかがわかりにくい言葉がたくさん出てきます。
これらの「文法用語」については、世の中には賛否両論あるようです。
英語ができるようになった人でさえ、「文法用語」について「覚えるべきだ」という意見と「覚える必要はない」という意見に二分されるようです。
「覚える必要はない」という人達は、たいてい次のように主張します。
『文法用語なんて必要ない。なぜなら、英語を話したり聞いたりするときに、いちいち「関係詞」だとか「分詞」だとか、そんな文法用語を思い浮かべたりしないからだ。』
実際に英語ができるようになった人自身が「文法用語なんて必要ない」と主張するものだから、それを聞いた英語初学者たちも「そっか、文法用語なんて必要ないんだな」と思い込んでしまうこともあり得ます。
しかし、私は基本的にはこの考え方に反対です。
確かに、私も英語を話すときにいちいち文法用語を思い浮かべたりしません。
英語は英語のまま、そのままで文を作ったり理解したりするのが理想の形です。
ですが、それは「最終段階」の話であって、英語学習の「初期」の頃とは話が違います。
英語ができるようになった人の中には、「文法」をきちんと学んだ人とそうでない人に分かれるでしょう。
ですが、よほど子供のころから英語圏の国や地域で長い期間英語を使って生活していたのでない限り、「文法」なしでは適切な英文を作ったり書いたりすることはできません。
「英語圏での生活は長くない、文法も勉強したことがない、だけど英語が上手」という人は、私の知る限り一人もいません。
そういう人は自分で「英語が上手」と思っているだけで、本当にできる人からみれば「いい加減な英語」を使っているというケースもあるくらいです。
英語ができる人からみても「上手な英語だ」と思わせるような英語力を持っている人は、「英語圏での生活が長い」か、あるいは「文法をきちんと学習した」かのどちらかです。
そして、「文法をきちんと学習する」ためには、「文法用語」をきちんと学ぶと良いのです。
「文法用語」を覚えることがどうして良いのか、についてはまた次回ご説明します。
どうぞお楽しみに!
<続く>
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