<前回の続き>
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前回、「大きな仕事を小さく分解する」ということについて書きました。
小さく分解された仕事ならば、自分がやるのも楽ですし、人に依頼するのも楽になります。
ただ、人に依頼するには「やり方の説明」をしなくてはなりませんね。
説明を面倒くさがらずにやることができれば、その仕事は自分の手から離れます。
自分がオーバーワークの時ほど、人への説明をきっちりとやって、どんどん人に任せるようにすると良いかもしれません。
さて、小さく分解された仕事を、1つ1つこなしたとしましょう。
自分がやったにせよ、人にやってもらったにせよ、とにかく、「小さく分解された仕事」が、今度は完成された形で自分のところに戻って来ます。
これらはもともと「1つの大きな仕事」だったわけですから、小さく分解して完成した複数の仕事を、今度は「1つに戻す」ということをしなくてはなりません。
小さく分解された複数の仕事を1つに戻す、と言っても単にくっつければ良い訳ではありません。
もちろん、1つ1つをくっつけていくわけですが、その時に、注意しなくてはならないことがあります。
1つ1つの小さい仕事だけをみれば「完成」と思えるものでも、それらをくっつけて、また元の「大きな仕事」に戻すとき、今度は「全体のバランス」を見なくてはなりません。
例えば、私(久末)はかつて出版社に勤めていたのですが、1冊の本を何人かの執筆者に分担して書いてもらうことが多々ありました。
仮に5人の執筆者がいて、全員の原稿を合わせると1冊の本になる、という仕事があったとします。
一人一人の執筆者が書き上げた原稿が集まってきて、さあ、今度はそれらを合体させて編集しようとすると、例えば、同じ言葉でも漢字が異なっているなど、そのままでは問題となることがあります。(「十分」と「充分」など。)
そこで、編集者は「1冊の本」としての整合性を持つように気をつけながら校正をしていくのです。
小さく分解され、完成された複数の仕事を「1つ」に合わせる時、「全体的な目」を持ちながらつなぎ合わせていかないと、全体ではちぐはぐになってしまうのです。
まるで、プラモデルを作るときに、パーツとパーツの結合部分にやすりがけをして、「つなぎ目をキレイにする」ような感じです。
つなぎ目をキレイにし、全体の整合性をとりながらつなげていけば、「1つの大きな仕事」に戻した時にキレイに完成します。
パーツは完成しているのに「全体では完成度が低い」ということにならないように、小さな仕事をつなぎ合わせる時には気をつけましょう。
さて、つなぎ合わせる際の注意点さえ気をつければ、最初に大きく見えた仕事でも、小さく分解することによって最後まで無事に終えることができますし、さらに「オーバーワーク」を軽減できる可能性も出てきます。
1. 大きな仕事を分解する。
2. 小さく分解した仕事を人に渡す。(あるいは自分でこなす。)
3. 人に仕事を依頼する時にきちんと説明する。
4. 完成した複数の小さい仕事を注意しながら1つにつなげる。
どれも繰り返したくさんやっていけば、必ず上手になります。
上手になれば、さらにスピーディーにこなせるようになるでしょう。
オーバーワークになりがちな人は、上記の「1~4」を意識して練習すると良いと思います。
是非、おためしあれ。
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