人は、自分が「信じる方向」に向かって進んでいきます。
これは、迷信とか、精神論の話ではなく、「脳の神経科学」の話です。
(※この話、以前もどこかで(というかあちこちで)書いたり話したりしているのですが、最近また改めて思うところがあったので、また、書きます。)
例えば、ある事柄について、「自分ならきっとできるようになる!」と信じたとしたら、その人は、「できるようになる」という方向に向かって進んでいきます。
仮に、信じた時点(今の時点)で、それができる能力や知識や経験がなかったとしても、それでも、「できるようになる」と信じていることから、「どうすればできる?」「こうすればできるか?」というように考えていきます。
最初に「できるようになる」と信じたからこそ、「できるようになる」ための道筋はどんなものなのかについて脳が一生懸命考えていくことができるです。
ところが、「自分にはできるようにならない」と信じてしまうと、進む方向がまるで逆となります。
「できるようにならない」と信じた以上、「どうしてできない?」「こうだからできない」というように「できない理由」を一生懸命挙げていってしまいます。
「できない理由」を挙げていくうちに、本当なら、できるようになる「潜在能力」があったとしても、その可能性を、完全に「ゼロ」にしてしまいます。
つまり、自分が「できない」と信じることによって、自分の可能性が、自分自身によって完璧につぶされていってしまうのです。
信じる方向が「プラス」の方向なら、本当に「プラス」が実現し、
信じる方向が「マイナス」の方向なら、本当に「マイナス」が実現してしまうのです。
この話をしてくれた脳神経科学者の知人は、「人間、できると自分に信じ込ませることが大事なんだ」と語ってくれました。
私は、英語を教えていて、「そんなの私には無理です」ということをカンタンに言う人をよく見かけます。
でも、「人間だったならばできるはずのこと」に対して、カンタンに「できません」と言ってしまうのは、本当にできない、ということなのではなく、「できると信じることができません」ということなのです。
「できる」と信じることができない理由は、たいていの場合は、自分の「思い込み」なのです。
やってもいないこと、試してもいないことを、やる前から「できません」と言ったり、あるいは、ちょっとやってみて「難しい」とか「うまくいかない」と感じたらすぐに「できません」と言ったりする人は、自分が本来どれだけ「できる」のかを見つめていないだけなのです。
英語だけでなく、仕事でも、プライベートのことでも、勉強でも、スポーツでも、趣味でも、人づきあいでも、ビジネスでも、どんなことでも「できる」と信じてみれば、意外にできてしまうことはたくさんあります。
最初に「できない」と信じたとたんに、「できる」という方向への道が絶たれてしまいます。
「できる」という方向への道を絶っているのは、他でもない、「自分の思い込み」なのです。