<前回の続き>

(「発音美人になりましょう!」シリーズのこれまでの記事一覧はこちら。)

中国で開催中の体操の世界選手権がなかなか面白くてつい見てしまいます。

内村選手が、最も美しい演技をした選手に与えられる「エレガンス賞」を受賞したと聞きました。

「美しい」を追求するには、それなりの努力が必要ですね。

自分自身をコントロールし、自分自身を外から客観的に観察し、理屈を持って取り組み、そして、何度も何度もひたすら繰り返す。

そうした努力をやり続けた人だけが、「美しい」と人から評価されるのだろうと思います。

体操だけでなく、この世のたいていどんなことも同じです。

英語の発音がキレイになるには、同じような努力が要るのですね。

さて、前回は「ヘタに聞こえてしまう発音」というものに着目し、それをしらみつぶしに修正していけば、仕舞いには「上手な発音」になるだろう、という観点から考えてみました。

「無声音で発すべきところを有声音にしない」とか、「『r』のスペルのないところではこもった発音にしない」といったことをご紹介しました。

今日は「二重母音」というものについてお話します。

私がこれまで日本人に発音指導をしてきた中で、「二重母音」について指摘しないで済んだ人は一人もいません。

日本人のほぼ全員が、英語の発音における「二重母音」への認識が甘いと言えます。

「二重母音」というのは、[ei], [ai], [ou], [au]といった母音のことで、要するに「2つの母音が重なっているもの」のことです。

例えば、[ei]というのは、カタカナでかくなら「エイ」です。

しかし日本人は、「エイ」という発音に対して、「エー」と伸ばしがちになってしまいます。

同じように、[ou]というのは、カタカナでは「オウ」なのですが、これも「オー」となってしまいがちです。

つまり、「エー」や「オー」と伸ばすのではなく、「エイ」や「オウ」というようにきっちり「2つの母音」を発音すれば良いのです。

一見、カンタンに思われるかもしれませんが、これは一度指摘されて直るような単純な問題ではありません。

本校に通う生徒たちのほとんどが、何度も同じ「二重母音」を指摘されます。

指摘されなくなるまでに何ヶ月もかかる、などということはしょっちゅうです。

それくらい、日本人は「二重母音」への認識が甘いのです。

ブログ上ではこれ以上の説明は難しいですが、実際に発音指導を受けてみると、その難しさが分かると思います。

「たいした違いじゃないだろう」と思っている人は、いつまでも「キレイな発音ですね」と人には言われません。

細かな違いかもしれませんが、そういう細かなところにこそ、人に「キレイだ」と思わせる部分があるのも事実なのです。

そうした細かな違いをきちんと認識して、きちんと対応していく。

発音美人になるには、そうした長い道のりを歩いて行くしかありません。

二重母音、是非、意識してみてください。

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