「苦手を克服する」ということについて色々と考えていくこのコーナー。

今回は「力の抜きどころを探そう!」というテーマで考えてみましょう。

「苦手なこと」に取り組んでいると、最初はとても疲れます。

疲れてしまう原因は「力の抜きどころ」をまだ見つけられていないからです。

力の抜きどころが見つからず、どうしても、フルパワーで取り組もうとしてしまうので、その分疲れてしまうのです。

では、「力の抜きどころ」をさっさと見つけてしまえば良い、と思うかもしれませんが、それが、そうは簡単にはいかないのです。

「力の抜きどころ」を見つけるには、ある程度の「繰り返し(=練習量)」が必要となります。

例えば、私は今年の6月頃から、ずっと「左手」で箸(はし)を持って食べる、ということを続けています。

どうしてそんなことを始めたかについては過去記事をご覧頂ければと思います。
(過去記事はこちら

で、左手(私にとっては利き手はない手)を使って箸を持って食事をすると、それはそれはもう、本当に疲れてしまうのです。

最初の頃は特にひどくて、箸が、薬指に食い込んだり、中指に食い込んだり、あるいは親指の付け根に食い込んだりして、食事の終盤は手が痛くて箸を持ち続けるのも大変でした。

うどんやそばなどの麺類はもってのほか!
最後の方はほとんど「れんげ」を使って食べるような感じになってしまっていました。

それでも、苦手なことであっても、継続していれば慣れていくものなんですね。

少しずつ、左手で箸を使って食事することにも慣れ、最初の頃よりは疲れなくなりました。

今では、私の大好きなラーメンを食べる時でも、ほとんどペースを崩さずに左手で箸を持って食べられるようになりました。

ただ、それでも、右手(利き手)で箸を持って食べるのに比べれば、左手の方がまだまだぎこちなく、食後の「疲労感」も必ずあります。

やり慣れないことをやっているうちは、どうしても「無駄な力」が入ります。

新入社員が仕事をしている時も、「無駄な力」が入り、やらなくても良いことまでやってしまうため、とても疲れます。

車の免許を取得したばかりの人も、「無駄な力」が入り、要らないところで手や足を動かしたり、見なくても良いところまで見ようとしてしまうため、とても疲れます。

ゴルフを習いたての人も、「無駄な力」が入り、上級者なら決してできないようなところにマメができたりして、とても疲れます。

英語で「f」の発音を習ったばかりの人も、「無駄な力」が入り、必要以上に息を吐き出して頭がクラクラになったり、下唇が痛くなったりして、とても疲れます。

どんなことであっても、「初期の頃」はどうしても「無駄な力」が入ってしまうので、とても疲れてしまうのです。

「無駄な力」を入れずにやろうと思っても、「無駄な力がどこなのか?」が分からないうちは、「無駄な力」を抜くことはできません。

「どこかに無駄な力が入っているな」と分かっていても、どうしても全力でやってしまうのです。

ところが、同じ事を辛抱強く続けていくうちに、「あ、ここは力を抜いても平気かな?」という部分が見えてきます。

この「力の抜きどころ」がどのように見えてくるのか、というのが、実は「苦手を克服する」ことができるかどうかの違いにも関係しているのです。

「力の抜きどころ」が、人よりも早く見えるようになる人は「苦手を克服していきやすい」人と言えます。

逆に「力の抜きどころ」がなかなか見えるようにならない人は「苦手を克服していきにくい人」と言えるのです。

その違いはとてもシンプル。

「力の抜きどころ」をいち早く見つける人は、はじめから「力の抜きどころを探そう」としています。

ところが「力の抜きどころ」がなかなか見えるようにならない人は、はじめから「探そう」という意識を持たず、ただ繰り返しているだけなのです。

「力の抜きどころ」が見えてくるには、今日の記事の冒頭でも書きましたが、ある程度の「繰り返し(=練習量)」が必要です。

しかし、その繰り返しの最中に「どこで力を抜けるかな?」ということを常に意識している人は、他の人よりも早く、「力の抜きどころ」を発見します。

ところが、そういう意識を持たずにただ繰り返している人は、そのうち自然に「力が抜けるようになった」という感じで、自分から「力を抜きにいく」ということをしませんし、またその境地に至るまでには、相当の時間がかかってしまっているはずです。

例えば、新入社員が仕事をしていて、先輩社員のように短時間で仕事をこなせなかったとします。

同じ新入社員でも、「どうすれば残業しないで、先輩のように短時間で仕事をこなせるようになるだろうか?」ということを意識しながら仕事をする人もいれば、そういうことは全く考えない人もいます。

前者のように「力の抜きどころを探そう」としている新入社員は、そういう意識のない新入社員に比べ、短い期間で「力の抜きどころ」を発見できるのです。

「苦手なこと」に取り組もうと始めたとたん、「無駄な力」が入ってしまって、ものすごく疲れてしまうのは当たり前のことです。

まずは「初期の頃は、誰だって、何だって、疲れてしまうものだ」ということを覚悟する必要があります。

そして、「疲れてしまう」ことを覚悟しながらも、「力の抜きどころを探そう!」という意識を持ち続けていくと、「苦手なこと」を克服していくのに一歩近づいていけます。

私も「左手で箸を使う」ということをしながら、いつもいつも「どこで力を抜けるんだろう?」ということを一生懸命探しながらやっています(笑)

苦手なことがなかなか克服していかなくて苦労している人こそ、「力の抜きどころを探そう!」という意識を強くもつことをオススメします!

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