<前回の続き>
(「英文法の話」の記事一覧はこちら。)
前回まで、「現在形」がどういう表現なのかについて説明してきました。
英語の世界の動詞には、「動作を表す動詞」と「状態を表す動詞」の2つに大きく分類されます。(両方を表す動詞もありますが。。。)
原則的に、「動作」を表す動詞が「現在形」となった場合には、「今のこの瞬間」のことを含まない表現となります。
一方、「状態」を表す動詞が「現在形」となった場合には、「今のこの瞬間」のことを含んだ表現となります。
He plays tennis.
He likes tennis.
「play」は「動作」を表す動詞なので、上記の文では「今のこの瞬間」の話は含んでいません。「今のこの瞬間」ではなく、「日常的に、何度も繰り返す」ということを表現しているのです。
「like」は「状態」を表す動詞なので、「今のこの瞬間」においてもテニスが好きだ、ということを述べています。決して、「日常的に、何度も繰り返す」という意味ではなく、「ずっと”好きだ”という状態が続いている」という意味になるのです。
このように、文の述語動詞となっている動詞が「動作」を表すのか、それとも「状態」を表すのかによって、同じ「現在形」でも、「今のこの瞬間」を含まないのか、それとも含むのかという解釈が異なってくるのです。
さて、今回はこれを踏まえて、「現在進行形」の表現についてご説明します。
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まず、「現在進行形」の基本の形からおさらいしましょう。
「現在進行形」は、次の形で表現されます。
【be動詞の現在形】+【動詞の現在分詞】
「be動詞の現在形」というのは、具体的には、「am」「are」「is」のどれかです。主語の「人称」と「数」によって異なりますが、これはまあ、良いですね。
「動詞の現在分詞」というのは、簡単に言えば、動詞の原形の語尾に「-ing」がついた形のことです。
中学生などの英語初学者は、「進行形」と言えば「-ing」の形と覚えている人も多いようですが、肝心の「be動詞」を忘れないように注意しましょう。
で、「現在進行形」というのはどのようなものかと言いますと、「-ing」で表現される動詞について、「その動詞の動作を行っている真っ最中である」ということを表すような表現です。
そもそも、「-ing」という形の現在分詞は、「動作のど真ん中を切り取った部分」を表します。
例えば、「eat」という動詞に「-ing」がくっついて「eating」という現在分詞が出来上がったとしましょう。
この「eating」というのは、「eat」という動作の「ど真ん中」を切り取った部分を表すのです。
前にもご説明しましたが、「動作」を表す動詞について考えてみると、必ず「動作が始まる瞬間」があり、また「動作が終わる瞬間」があります。
「eat」は「食べる」という意味ですから、「食べ始める瞬間」と「食べ終わる瞬間」の2つが必ず存在するということです。
「動作が始まる瞬間」と「動作が終わる瞬間」をつなぐと、そこには「時間的な幅」がありますね。
食べるものにもよるでしょうが、普通、「食べる」という行為自体、「数分」から「数時間」という時間の幅があるはずです。
「eating」というのは、「食べ始める瞬間」と「食べ終わる瞬間」をつないでみて、その「ど真ん中」を切り取った部分のことを指すのです。
仮に、「14:00」にフルコースの料理を食べ始め、「15:00」に食べ終わったとします。
このような場合に「eating」という表現を使うと、それは、「14:00〜15:00」の間のどこか「一部分」のことを表すことになります。
例えば、「14:15〜14:25」とか、「14:30〜14:50」などのように、その動作の「ど真ん中」を切り取った時間帯のことを指すということです。
「eating」は、つまりは「食べている最中」という意味になるのです。
これが「進行形」で使われると、「I am eating dinner now.」のような文となります。
これは、「私は今、ディナーを食べている最中です。」という意味になります。
以上は「動作」を表す動詞が「現在進行形」となった場合の話ですが、おそらく、皆さん「そんなの知っているよ」という内容かもしれません。
では、「状態」を表す動詞が「現在進行形」となった場合についてはご存じでしょうか?
多くの文法書では、「状態を表す動詞は進行形にはならない」という説明が書かれています。
しかし、そうとは限りません。
次回、「状態」を表す動詞が「現在進行形」になった場合についてご紹介します。
どうぞお楽しみに!
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