前回、「現在完了の結果」と「過去形」の違いについて説明しました。
日本人にとっては、どちらも「過去形ような表現」であることから、両者を区別するのが難しいと感じられるかもしれません。
ですが、この区別を明確にしておけば、英語を使ったコミュニケーションで微妙な違いを理解することができるのです。
さて、今日は「現在完了の結果」と「過去形」の違いについて、補足説明をします。
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前回も書いた通り、「現在完了の結果」と「過去形」には、以下の2つの違いがあります。
【違い・その1】
「現在完了の結果」は「現在の状態」についてそれとなく述べるような効果があるが、「過去形」にはそのような効果はない。
【違い・その2】
「過去形」では、その動作が「どれくらい前なのか?」ということを示す表現を添えることができるが、「現在完了の結果」ではそれはできない。
例えば、「彼は新しい仕事を見つけた。」という表現を英語にしたとします。
これは、英語では「現在完了(結果)」と「過去形」のどちらでも表現することができます。
(a) He “has found” a new job.(現在完了の結果)
(b) He “found” a new job.(過去形)
(a) は現在完了ですから、「現在の状態」をそれとなく述べる効果があります。例えば、「今も、その新しい仕事をしている」といった状態が現在も続いている、というような意味合いです。
ところが、(a)は現在完了ですから、「見つけたのがどれくらい前なのか?」に関する表現を添えることはできません。
一方、(b)は過去形ですから、「見つけたのがどれくらい前なのか?」に関する表現を添えることができます。
つまり、「〜ago」や「last 〜」や「on+日付」や「in+月」や「in+年」などの表現をつけることができるのです。
逆に、(b)は過去形ですから、「現在の状態」については、原則的にはそれとなく述べるような効果はありません。
「過去のある1時点で仕事を見つけたけれど、今はもうその仕事はしていない」という可能性もありますし、もしかしたら「今もその仕事をしている」という可能性もあります。
このように、「現在完了(の結果)」と「過去形」では、日本語の表現は似ているものの、「できること」と「できない」ことがお互い異なっているのです。
さて、以上は「原則論」です。
「現在完了」と「過去形」は、上記の「2つの違い」がある、ということを理解しておけば、実際に英語を使って外国人をコミュニケーションを取る際に困ることはなくなるでしょう。
ところが、実は、上記の2つの違いについては、あくまでも原則論であって、「例外」もあります。
例えば、「get」という動詞は、過去形では「got」となります。
この動詞には色々な意味があるのですが、よく使われる意味の1つに「手に入れる」というものがあります。
仮に、過去形「got」を使って、「〜を手に入れた」という意味の英文があったとしましょう。
■ I got some beer.
これは、文字通りの解釈すれば、「私はいくらかのビールを手に入れた。」という意味になります。
そして、「got」は過去形ですから、上述した「2つの違い」の原則に当てはめるならば、「今の状態については述べていない」ということになります。
しかし、「I got some beer.」のように「I got 〜」という過去形の表現は、多くの場合、「今も持っている」という意味で解釈されます。
「過去形ならば、現在の状態については関与しない」というのが原則なのですが、「get」という動詞の過去形の「got」に関しては、このルールから外れてしまうのです。
「I got 〜(私は〜を手に入れた)」という英文の多くは、意味としては「I have 〜(私は〜を持っている)」という意味になります。
もちろん、厳密に言えば、「I got 〜」と「I have 〜」は同じ意味ではありません。
しかし、「過去形」である「got」は、「have(今、持っている)」という意味合いで使われることがあるのです。
ただし、「got」については、数少ない例外と思ってください。
過去形の表現の全てが、「got」のように「現在のことを述べている」ということになる、というわけではないのです。
<続く>
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