さて、昨日の続きです。

「as 〜 as」という原級比較の表現について、より正しい理解をしましょう、という主旨で書いております。

 

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多くの形容詞や副詞は「程度の高低」を表します。

中にはそうでないものもありますが、「程度の高低」を表すような形容詞や副詞は、原則的に「比較」の表現として使うことができます。

さて、昨日は「long」と「short」、そして「old」と「young」の2つの組み合わせの形容詞を使って話を進めました。

「long(長い)」と「old(歳を重ねている)」という2つの言葉は、「ゼロ」から出発し、そこからプラス方向に程度が高まっていきます。

そして、少しでも「ゼロ」から増えて「プラス」に転じれば、その時点から「long」や「old」という言葉を使って表現することができます。

その場合、その程度が「どれくらい?」であるかを表す言葉が「long」や「old」の前に置かれるのが普通です。

This table is two meters long.「このテーブルは2メートルの長さです。」
My father is fifty years old.「私の父は50歳です。」

このように、「two meters」や「fifty years」のように「どれくらい?」であるかを表す言葉がつく場合は、「ゼロからほんの少しでも増えた時点」で「long」や「old」が使えるのです。

では、「two meters」や「fifty years」といった言葉をつけなかったらどうなるでしょうか?

その場合は、程度ではなく、誰がみても「長い」と思えたり、あるいは誰がみても「年老いている」と思えたりする、というように文を作った人が感じているということになります。

その感じ方は「主観的」なものですから、「テーブルが長い」というのが具体的にどれくらいを表すのかは人それぞれですし、「人が年老いている」というのが具体的に何歳くらいを表すのかも人それぞれです。

「ゼロ」から数値を上げていき、あるところで、文を作ろうとする人が「長い」と感じたら「long」という言葉を単体で使えることになります。

同じように「ゼロ」から数値を上げていき、あるところで、文を作ろうとする人が「年老いている」と感じたところで「old」が単体で使える、ということです。

 

さて、「as 〜 as」という形の原級比較では、昨日も話しましたが、前の方の「as」では、「同じくらいの程度まで高まっている」ということを表します。

例えば、「This table is as long as my table.」という文があったとします。

この文では、「this table」が「my table」と同じくらいの程度まで長いということを言っています。

しかし、「long」が使われているからと言って、必ずしも2つのテーブルが一般的に長いということを表しているわけではありません。

もしかしたら、2つとも、一般のテーブルよりも遥かに短いのかもしれません。

一般的にみて「長い」と感じられるかどうかではなく、「2つの物の程度が同じくらいだ」ということを言いたい場合に「as 〜 as」の表現が使われるのです。

もう1つの例を見てみましょう。

「John is as old as Mike.」という文があったとします。

この文で言いたいのは、「John」と「Mike」は、同じくらい年齢を重ねているということです。

決して、「Johnは年寄りで、Mikeも同じくらい年寄りだ」と言いたいわけではないのです。

もしかしたら、「John」も「Mike」も幼稚園児なのかもしれません。

たとえ2人が幼稚園児だったとしても、「ゼロ」からスタートし、同じ程度まで年齢を重ねているということを言いたい場合には「as 〜 as」の表現が使えます。

 

さて、ここまでを理解したところで、今度はこの表現が「否定文」になった場合について考えてみましょう。

「as 〜 as」の表現は、「…と同じくらいの程度まで〜だ」ということを述べる表現です。

これを否定文にすると、たいていは「not as 〜 as」となります。

繰り返しますが、2つの「as」のうち、最初の方の「as」は「同じくらいの程度まで高まっている」ということを表します。

これに「not」という否定がくっつくと、「同じ程度までは高まっていない」という意味になり、つまりは「そんなに高まってはいない」ということになります。

「This table is not as long as my table.」という否定文があったとしましょう。

この文は、「my table」というものを基準にして、主語である「this table」がそこまでの程度まで長くなっていない、ということを表します。

すると、これを日本語に訳すならば「このテーブルは私のテーブルほどには長くはない。」となります。

肯定文の場合には「…と同じくらい〜だ」となるのですが、否定文だと「…ほどには〜ない」のような言い方になるのです。

同じ「as 〜 as」の表現なのに、肯定文と否定文とで日本語の表現の仕方が異なるのは、最初の「as」が「同じくらいの程度まで高まっている」ということを表すからです。

さらに言うと、否定文の場合は、最初の方の「as」を「so」に変え、「not so 〜 as」という形にすることもできます。

「so」というのは、「そんなに」とか「それほどまでに」という意味なのですが、肯定文においては「同じくらい」という意味は含まれません。

肯定文での「so」は、言い換えるならば「very」など、「程度が高い」ということを表します。

しかし、否定文において「so」が使われると、「そんなには〜ない」とか「それほどまでには〜ない」のような意味になります。

つまり、「so」という言葉は、否定文においてのみ、「as 〜 as」の最初の「as」と同じような意味となるのです。

なので、「not as 〜 as」という表現は、「not so 〜 as」に置き換えることができるのです。

 

「as 〜 as」という原級比較の表現を、たんに「そうやって訳せばよいのだな」とガチガチに記憶しようとするのではなく、「どうしてそういう表現になるのだろう?」ということをきちんと理解しましょう。

きちんと理解すれば、読解も楽になりますし、自分で英文を作るのも楽になります。
是非、何度か読み返して頂き、深い理解にして頂ければうれしいです。

 


 

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