まずはおさらいです。

「関係代名詞」は、「先行詞が人間であるかどうか」という点と、「関係代名詞が関係節の中でどんな格の働きをしているか」という点によって、以下の表のように分類されます。

関係節内での働き=「主格」 関係節内での働き=「所有格」「独立所有格」 関係節内での働き=「目的格」
先行詞=「人」 who whose whom
先行詞=「人以外」 which (whose)
(of which)
which
先行詞=「人・モノの区別なし、あるいは文脈上特定されている語」 that that

これを踏まえ、以下を見てみましょう。

1.  We  need  an  actor    (    )   can  play  the  piano.
→ 私達はピアノを弾くことができる役者を必要としている。

2.  We  need  an  actor    (    )   eyes  are  brown.
→ 私達は目が茶色である役者を必要としている。

3.  We  need  an  actor    (    )   everybody  can  recognize  immediately.
→ 私達は誰もがすぐに認識することができる役者を必要としている。

この3つの文では、いずれも「先行詞」となっている言葉は「actor(=役者)」です。

「役者」というのは「人」を表す言葉ですから、上記の表のうち、1段目(先行詞=「人」)と3段目(先行詞=「人・モノの区別なし」)」のどちらかから選ぶことになります。

次に考えるべきは、「格」です。

1〜3の全ての文において、「オレンジ色」の部分が「関係節」となっています。

カッコの中には、全て「関係代名詞」が入るのですが、そもそも「関係代名詞」というものは、「先行詞」となっている言葉の「代名詞」として機能するものなのです。

そこで、先行詞である「actor」を、仮に「彼」という代名詞に置き換えてみる、ということを頭の中でやってみましょう。

「彼」というのは、以下のように「格変化」します。

・主格= 「he」(彼は/彼が)
・所有格= 「his」(彼の)
・目的格= 「him」(彼を/彼に)
・独立所有格= 「his」(彼のもの)

実際には、上記の英文のカッコの中には「彼」ではなく、「関係代名詞」が入るのですが、頭の中で、カッコの中に入れる関係代名詞の「格」を確定するために、まずは「オレンジ色の部分」だけを切り取ってみて、「1つの文」にしたらどうなるかを考えてみます。

1の文では、オレンジ色の部分は「(    )   can  play  the  piano.」となりますね。

このカッコの部分を見てみると、どうやら「主語」にあたる言葉が入るのではないかと想像できます。

つまり、「he」「his」「him」「his」のうち、「主語」となり得る「he」という「主格」の言葉が入る、ということになるのです。

これで、1の文のカッコの中に入れるべき関係代名詞の「格」が「主格」であると判明しました。

そうしたら、今度は、再び上記の表に戻り、「主格」の関係代名詞を選べば良い、ということになります。

表を見てみると、1段目の主格は「who」であり、3段目の主格は「that」です。

従って、1の文のカッコの中に入る関係代名詞は、「who」もしくは「that」が正解、ということになるのです。

《正解》
1.  We  need  an  actor    ( who(もしくはthat) )   can  play  the  piano.
→ 私達はピアノを弾くことができる役者を必要としている。

 

さあ、勘の良い方ならばもうお分かりですね?

続いて、2と3がどうなるのか、考えてみてください。

解説はまた次回に持ち越しです。
どうぞお楽しみに!